2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14033253
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 健 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 先任研究員 (60222311)
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Keywords | RNA結合蛋白質 / 翻訳調節 / 細胞増殖 / 細胞周期 |
Research Abstract |
RNA結合蛋白質は、細胞の核および細胞質でさまざまなRNA機能の調節に関与している。我々がアフリカツメガエル卵母細胞から同定した新規RNA結合蛋白質(xCIRP2)は、ほ乳類細胞で細胞の培養温度を低下させたときに高発現する、低温誘導性RNA結合蛋白質CIRPのホモログである。この蛋白質の機能を明らかにするため、酵母two-hybrid法によって結合する蛋白質の検索を行った。その結果、HuRホモログを含むいくつかのRNA結合蛋白質のほか、蛋白質のアルギニン残基をメチル化する酵素PRMT1がxCIRP2と結合することがわかった。無細胞メチル化アッセイにより、xCIRP2のグリシンとアルギニンに富む43アミノ酸の領域がPRMT1によってメチル化された。一方、xCIRP2は培養細胞に発現させると核に局在して見えるが、実際は核と細胞質をシャトルしていることがわかった。核移行/シャトリングシグナルを同定したところ、興味深いことにPRMT1によってメチル化される領域と同一であった。そこで培養細胞にxCIRP2とPRMT1を共発現させてみると、xCIRP2の一部は細胞質へと移行することがわかった。この結果は、RNA結合蛋白質の修飾によりその細胞内局在が変化することを示す。次に、抗xCIRP2抗体を用いた免疫沈降により、卵母細胞内でxCIRP2と結合しているmRNAを検索した。その結果、細胞周期進行や中心体形成に関わる蛋白質をコードするmRNAが含まれており、これらのうちいくつかはHuRホモログにも結合していた。HuRは結合するmRNAの分解を阻害することが知られているので、xCIRP2もこの機能に関与しているかどうか無細胞mRNA分解系で検討した。これまでに、xCIRP2がHuRとは異なるステップでmRNA分解を阻害する、という結果が得られており、現在その分子機構について詳細な検討を行っている。
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Research Products
(1 results)