2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14034203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若松 義雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60311560)
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Keywords | 神経堤 / 外胚葉 / BMP / Wnt / 細胞分化 / Slug / 転写制御 |
Research Abstract |
神経堤細胞は、神経外胚葉と表皮外胚葉の相互作用によりその境界部に形成される。この時、BMPやWntなどのシグナル伝達が重要な役割を持っていると考えられている。一旦誘導された予定神経堤領域の細胞は、Slugなどの転写制御因子を特異的に発現するようになる。年度は、まずSlug遺伝子を含むをニワトリゲノム断片25kbを単離し、その構造を明らかにした。その結果、Slug遺伝子の上流0.8kbまでにWntによって制御されるLef/TCFの結合配列やBMPによって制御されるSmadの結合配列が見つかった。ルシフェラーゼアッセイの結果、それらの配列がWntやBMPのシグナルの活性化による転写促進をになっていることがわかった。また、LEF1がLef/TCF配列に直接結合することを、ゲルシフトアッセイによって明らかにした。この上流域配列をGFPレポーター遺伝子につないで、エレクトロポレーションによりウズラ胚に導入したところ、神経堤細胞を含む幅広い領域で活性化された。神経堤形成期の外胚葉におけるWntやBMPシグナルの活性化状態をそれぞれTOP-GFPレポーター遺伝子の活性化やリン酸化Smad1抗体の免疫染色によって調べたところ、神経堤領域を含んで幅広く活性化されていることがわかった。これらの結果は、Slugの転写はWntやBMPによって幅広く活性化されているにも関わらず、表皮や神経板ではその活性化が別のメカニズムで抑制されている可能性を示唆している。
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Research Products
(1 results)