2002 Fiscal Year Annual Research Report
ホメオボックス遺伝子voxおよびventによる体軸形成制御
Project/Area Number |
14034215
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今井 義幸 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (80260040)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / ホメオボックス遺伝子 / 初期発生 / 遺伝子発現制御 / 体軸形成 |
Research Abstract |
ゼブラフィッシュにおけるホメオボックス遺伝子voxおよびventは、初期胚の腹側で発現し、背腹軸の形成に重要な役割を担う。本研究では、まずvox/ventと遺伝的に相互作用する遺伝子を同定する目的でvoxのエンハンサー変異体の単離と解析を行った。vox^<st9>変異体は、わずかに背側化するものの生育可能である。この変異体を突然変異誘発剤(ENU)で処理し、そのF1子孫よりvox^<st9>単独よりも強い表現型を示すエンハンサー変異体10個体を得た。このうちの4つについてvox^<+/+>のバックグラウンドにおける表現型を調べたところ、3つは単独でも背側化すること、1つは表現型を示さないことがわかった。単独で背側化する3つについて解析した結果、すべての変異がsmad5と連鎖し、それぞれの変異体においてsmad5遺伝子にミスセンス変異が検出された。 一方、voxおよびvent遺伝子の発現制御機構を明らかにするためにプロモーター領域の解析を行い、それぞれのプロモーター領域にBozozokタンパク質が結合できる配列のあることを見いだした。これらの領域はいずれもGoosecoidタンパク質が結合し得るコンセンサス配列を含むことから、GoosecoidとBozozokは同一の配列を認識して結合すると考えられた。この2つの転写因子が機能的に重複する可能性を検討するために、bozozok変異体においてgoosecoidに対するアンチセンスMorpholino(gsc MO)をインジェクションして表現型の解析を行った。gsc MOは、単独では何ら表現型を引き起こさないが、bozozok変異体に対しては強い腹側化および頭部の欠損を引き起こした。以上の結果より、bozozokとgoosecoidは機能的に重複して初期胚の背側領域の確立に関わることが強く示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Nagaya, K.Inohaya, Y.Imai, A.Kudo: "Expression of zisp, a DHHC zinc finger gene, in somites and lens during zebrafish embryogenesis"Mech.Dev.Gene Expression Patterns. 2. 355-358 (2002)
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[Publications] C.Kramer, T.Mayr, M Nowak, J.Schumacher, G.Runke, H.Bauer, D.Wagner, B.Schmid, Y.Imai, W.Talbot, M.Mullins, M.Hammerschmidt: "Maternally supplied smad5 is required for ventral specification in zebrafish embryos prior to zygotic bmp signaling"Dev.Biol.. 250. 263-279 (2002)
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[Publications] H.Kurahashi, Y.Imai, M.Yamamoto: "Tropomyosin is required for the cell fusion process during conjugation in fission yeast"Genes Cells. 7. 375-384 (2002)