2002 Fiscal Year Annual Research Report
appendage形成のグランドプラン;魚類、鳥類、マウス交接器形成の分子進化
Project/Area Number |
14034247
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 源 熊本大学, 動物資源開発研究センター, 教授 (80174712)
|
Keywords | 遺伝子 / 進化 / 動物 / 発生、分化 / 外性器 / 生殖 / Fgf / ソニックヘッジホッグ |
Research Abstract |
進化発生学的に外性器はappendage(付属肢)の一つである。体幹部から伸長、分化させるという統合された遺伝子プログラムであるlimb(四肢)や外性器の形成過程では、細胞増殖遺伝子群、転写因子群が個々の付属肢形成プログラムにおいて類似、あるいは相違した形で発現機能していると推察され、それらを解析することは有意義と考えられる。 そもそも原基伸長に重要な遺伝子群は何かを調べるために、外性器伸長を顕著に示すマウス胚、duck胚、及び伸長しないタイプのchick(ニワトリ)胚の交接器原基形成(総排泄口やヒダ)初期形成過程におけるFgf(繊維芽細胞増殖因子),Shh(ソニックヘッジホッグ),BmP遺伝子群などの発現パターンを解析した。 その結果、外性器伸長を示さない胚におけるプレパターンとして、総排泄腔膜に発現する遺伝子群(Shhなど)及び総排泄腔近傍間葉にて発現する転写因子群(Tbx遺伝子群など)が今回明らかとなった。このような総排泄腔近傍の構造形成のためには胎児形成において、尾部、tail gut(尾腸)、VER (Ventral Ectodermal Ridge)らの発生とコーディネートしつつ、発生を統御する必要がある。これらの胎児後部構造発生における相互作用については、ほとんどこれまで理解されていなかった。外性器形成以前のプレパターンとして我々が見いだした遺伝子群が、上記構造形成と関連しつつ、いかに機能するか今後さらに解析が必要であることが判明した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Suzuki, K. et al.: "Development of the mouse external genitalia ; Unique model of organogenesis"Kluwer Publisher (Baskin eds.). (in press).
-
[Publications] Komatsu, Y. et al.: "Targeted disruption of the Tab1 gene causes embryonic lethality and defects in cardiovascular and lung morphogenesis"Mech Dev.. 119. 239-249 (2002)
-
[Publications] Suzuki, K. et al.: "Embryonic development of mouse external genitalia ; Insights into unique mode of organogenesis"EVOLUTION & DEVELOPMENT (Evo Dev). 4. 133-141 (2002)
-
[Publications] Rieger, F, Yamada, G (eds): "Cell death in neurological disease"Cell Mol Biol. 48:. 125-217 (2002)
-
[Publications] 尾木秀直: "外生殖器の形態発生と異常"小児科診療. 65・10. 1665-1670 (2002)
-
[Publications] 荻野由紀子: "カダヤシ Gambusia affinis"細胞工学. 21・5. 522-523 (2002)