2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14034268
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
近藤 隆 理化学研究所, 発生・文化研究グループ, 上級研究員 (40333299)
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Keywords | 転写制御 / 染色体構造 / ホメオボックス / ターゲッティング / ES細胞 / マウス |
Research Abstract |
Evx2遺伝子欠損変異をES細胞を用いたターゲッティング技術を用い、作製した。行動に異常が見られる可能性が高いため、行動試験を可能とするため、本来のESを樹立した129Svの血統からの影響を排除することを目的としてC57Bl/6系統へのバッククロスを現在行っている。現在F4に至っている。 Evx2遺伝子及び、Hoxd13遺伝子発現調節に関しては、やはりES細胞を用いたターゲッティドトランスジーンの手法を用い、そのESからマウスを樹立、そのマウスでの遺伝子発現の変化を解析するという方法で行っている。これら二つの遺伝子は近傍に位置し、その発現調節の一部は共通のエンハンサーによってなされていると考えられているにも関わらず、胎生中期において、中枢神経系における遺伝子の発現の有無という点で大きく異なっている。これはエンハンサー及び二つのプロモーターの相互作用を調節しているDNA配列がこの二つの遺伝子間に存在するためと考えられており、その存在の確認及びその機能的な最小の断片を単離することを試みている。本研究において、本手法により、その存在の確認は終了している。さらにその神経系での発現の相違をもたらすDNA断片は、その機能を完全に発揮するためには約2Kbに渡る複合的な塩基配列を必要とすることが判明し、それ以上の短縮が不可能であることを見い出した。現在、そのDNA断片が異なる染色体環境においてその機能(エンハンサー、プロモーターの相互作用の調節)を発揮することを確認している。
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