2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 耕一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10262073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濡木 理 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10272460)
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Keywords | 翻訳終結 / リボソーム / 翻訳因子 / ペプチド鎖解離因子 / リボソーム再生因子 / 蛋白質合成 / 遺伝子発現制御 / 翻訳制御 |
Research Abstract |
本プロジェクトで構築中の原核・真核生物翻訳系の網羅的解析システムを応用し、翻訳因子間の機能ネットワーク解析を目的とした研究で、以下の成果を得た。 これまでに明らかにしたEF-GのtRNA擬態領域との相互作用によるRRF機能発現機構に加えて、EF-G tRNA擬態領域によるtRNA転座活性(tRNA translocase)機能との機能相関性をin vivoおよび、in vitroで検証した。tRNA転座活性に著しい欠損を示す点変異(H583K)を導入した変異型大腸菌EF-Gタンパク質は、in vivo、in vitro双方のアッセイ系において全く正常にリボソーム再生反応を触媒することを実証した。tRNA転座反応とRRFとの機能協調性は相関しないというこの新知見はこれまで部分的な実験から提唱されていた逆の趣旨の定説をより強固に覆すものであり、リボソーム再生機構におけるRRFの機能性について新たな方向性を切り開いた。 真核生物ペプチド鎖解離因子eRF3のX線構造決定と高次構造に基づく機能検証を行った。真核生物ペプチド鎖解離因子eRF3は、tRNA擬態性タンパク質であるペプチド鎖解離因子eRF1と結合することで、協調的に翻訳終結反応を遂行するGTP結合タンパク質であり、かつ一方で翻訳終結効率の制御と、細胞内での様々な生理機構を担う因子群とのネットワークのハブとして位置づけられる要分子である。解明されたX線結晶構造はGTPおよびGDPの2つのモードに対応するものであり、これらの比較からeRF3がこれまでに明らかにされたGTP結合タンパク質とは異なる新規な機能モードを保持するタンパク質である新事実が明らかになった。また、eRF1との結合領域を高次構造上で推定し実証した。得られた機能構造の新知見は、eRF3を中心とした翻訳終結複合体の機能ネットワークを解明するために重要な手がかりとなる事が期待できる。
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Research Products
(6 results)