2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 耕一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10262073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濡木 理 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10272460)
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Keywords | 翻訳終結 / 翻訳制御 / リボソーム / 蛋白質合成 / 遺伝子発現制御 / リボヌクレオプロテイン / RNAプロセシング / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
原核生物のモデル生物である大腸菌を用い、tRNA擬態蛋白質である解離因子(RF)の機能性に関与するリボソーム相互作用機能部位の網羅的検索を完了し、それぞれのリボソーム因子に関する解析を行なった。その結果、リボソーム蛋白質L11に関する多角的な検証の結果、L11が原核生物解離因子RF1/RF2のそれぞれに異なった作用をするというこれまでの定説を覆す結果を得た。このことは、tRNA擬態蛋白質RFがその機能性発現のために獲得したtRNA・伸長因子とは異なるリボソーム相互作用プラットホームが存在するという新しい概念につながる(伊藤担当)。 A. aeolicus由来のリシジン合成酵素(TilS)の結晶構造を2.2Å分解能で決定し、変異体解析により触媒部位を同定し、触媒メカニズム・tRNA認識機構を解明した(Pro.Natl.Acad.Sci.USAに掲載)。また、L-cysteine由来のチオール基をtRNAへ転移するTusBCDの結晶構造を2.15Å分解能で決定し、新規のチオール基運搬機構を発見した(Structureに掲載)。さらにこのチオール基を最終的にtRNAへ転移する酵素MnmAとtRNAの複合体に関して、3種類の結晶構造を決定し、これがtRNA初期認識ステージ、前反応ステージ、アデニル化中間体ステージに相当することを解明した。また、アミノアシルtRNA合成に関して、Aquifex aeolicus由来メチオニルtRNA合成酵素(MetRS)、tRNA、Met-AMP3者複合体の結晶構造を2.5Å分解能で決定し、tRNAのアンチコドン認識に関する新規の機構を見出した。さらに、古細菌のtRNA依存性アミドトランスフェラーゼ(GatDE)とtRNAGlnの複合体の結晶構造を3.15Å分解能で決定し、GatDEによるtRNA認識・識別機構、GatEサブユニットによるGlu-tRNAGlnのリン酸化反応のメカニズム、GatDで産生されたアンモニアが分子トンネルを通ってGatEの活性中心まで運搬する機構を解明した(濡木担当)。
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Research Products
(6 results)