2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035222
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内海 利男 新潟大学, 理学部, 教授 (50143764)
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Keywords | リボソーム / rRNA / リボソームタンパク質 / GTPase / タンパク質合成 / 翻訳伸長因子 / IRES |
Research Abstract |
リボソームに含まれる機能ドメインの一つであるGTPaseセンターは翻訳反応の速度を制御する部位であり、数種のリボソームタンパク質とrRNAの一部位から構成されている。平成15年度までの研究で、動物細胞の翻訳速度を決定する因子としてGTPaseセンターのタンパク質5量体,P0(P1-P2)_2,であることが示され、本年度はさらにその複合体構造の特徴とその意味について解析した。 1)P1-P2ヘテロダイマーの意味 動物細胞GTPaseセンターの特徴の一つとして、P1とP2の異種のタンパク質がヘテロダイマーを形成し、P0に2対結合していることがあげられる。古細菌ではP1とP2に対応するダイマーは同一タンパク質より成るホモダイマーであるため、蚕P0上のP1-P2結合部位を古細菌のアミノ酸配列に置換したキメラ型P0を作成した。得られたタンパク質は古細菌のホモダイマーを結合した。また、得られた複合体の機能を大腸菌リボソームに組み込んだハイブリッド系により解析したところ、蚕のP0(P1-P2)_2と同等の活性を示した。従って、P1-P2のヘテロダイマーが動物型翻訳速度を決定している要因ではないことが示された。 2)P0のN末端のrRNA結合性への寄与 動物P0(P1-P2)_2はバクテリアと比較して強いrRNA結合性を示し、このことが翻訳速度の特徴を決定づける要因である可能性がある。P0の各種末端削除実験により、rRNA結合性に寄与する部位を解析したところ、N末端の14個のアミノ酸を削除することでrRNA結合性が完全に消失した。この部位には真核生物で保存された塩基性アミノ酸残基が含まれこと等から、P0のN末端がrRNA結合性と、それに伴う動物型リボソーム機能誘発に寄与するという新たな仮説が導き出された。
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Research Products
(3 results)