2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 丹 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40114855)
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Keywords | RNA / リボザイム / in vitro セレクション / リガーゼ / P4-P6 RNA / 分子デザイン / 立体構造 / 触媒部位 |
Research Abstract |
「天然のP4-P6 RNAの分子骨格をもつ新しいリボザイム」の作成をおこなった。 1)P4-P6 RNAのx線結晶構造解析の結果をもとに、同分子内に隣接する反応部位と活性中心を構築するために同分子の特定の部位に修飾を施したP4-P6 RNAの誘導体をデザイン・作成した。この誘導体RNAの立体構造が、天然のものと同様であることを確認するため立体構造解析をおこない、これを確認した。 2)上記のRNAに、反応部位と触媒部位を組み込んだRNAをコンピュータープログラムを用いてデザインし、その鋳型となるDNAを作成した。また、これら鋳型DNAを用いて、効率良く大量のRNAを転写することに成功した。 3)in vitroセレクションの条件を設定し、RNAリガーゼ活性を有するRNAの検知、濃縮に有効な条件を設定した。転写したRNAからのセレクションを、条件を調整・選択し、くり返し行い活性のあるRNAを濃縮した。濃縮されたRNAを単離精製し、それらの塩基配列を決定した。その結果、デザインした通りに選択された触媒部位の働きにより、RNA ligation反応が進行することがあきらかになった。 4)反応は計画されたヌクレオチド間また天然のリボザイムと同じく3' -5'結合を生成し進行することを確認した。 5)得られたリボザイムの活性を測定し、バックグラウンドに比べて10の4乗以上の反応の加速を行うものがあることを確認した。 6)基質を含むRNA部分構造と触媒部位を含むRNA部分構造を物理的に分割し、これらによる2分子反応をおこなえることを確認した。このことから、デザイン通りにP4-P6RNAの分子骨格に依存するリボザイムの作成に成功していることを確認できた。 7)現在、得られたリボザイムにランダムに変異を導入し、さらにセレクションを行うことにより、その活性を向上させることを試みている。その結果、現時点では、大幅な活性の向上は認められないが、さまざまなリボザイムの誘導体を得ることに成功した。これらはリボザイムの細部の構造の解析に有用である。
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[Publications] Shimizu, T., Shiraishi, H., Inoue, T.: "Cloning and characterization of novel extensin-like cDNAs that are expressed during late somatic cell phase in the green alga Volvox carteri"Gene. 284. 179-187 (2002)
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[Publications] Oe, Y., Ikawa, Y., Shiraishi, H., Inoue, T.: "Relationship between the Self-Splicing Activity and the Solidity of the Master Domain of the Terahymena Group I Ribozyme"Biochem Biophys Res Commun. 291. 1225-1231 (2002)
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[Publications] Ikawa, Y., Fukada, K., Watanabe, S., Shiraishi, H., Inoue, t.: "Design, Construction, and Analysis of a Novel Class of Self-Folding RNA"Structure. Vol.10. 527-534 (2002)
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[Publications] Kitamura, A., Muto, Y., Watanabe, S., Kim, I., Ito, T., Nishiya, Y., Sakamoto, T., Otsuki, T., Kawai, G., Watanabe, K., Hosono, K., Takaku, H., Katoh, E., Yamazaki, T., Inoue, T., Yokoyama, S.: "Solution structure of an RNA fragment with the P7/P9.0 region and the 3'-terminal guanosine of the Tetrahymena group I intron"RNA. Vol.8,Number.4. 440-451 (2002)
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[Publications] Aono, N., Shimizu, T., Inoue, T., Shiraishi, H.: "Palindromic repetitive elements in the mitochondrial genome of Volvox1"FEBS Lett. 521. 95-99 (2002)
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[Publications] Ohuchi, S., Ikawa, Y., Shiraishi, H., Inoue, T.: "Modular engineering of a Group I intron ribozyme"Nucleic Acids Res. Vol.30,No.15. 3473-3480 (2002)