2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14035225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 睦人 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80201979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多比良 和誠 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10261778)
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Keywords | 遺伝子 / 核酸 / 発現制御 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究では、「RNA情報発現系の時空間ネットワーク」の基盤となるRNAの核から細胞質への動きを、核外輸送因子群による「RNAの身分証明」過程という概念で捉え、その様々な制御機構を明らかにすることを目指している。平成15年度から継続して、イントロンに依存しないようなmRNAの身分証明書的特徴を検索してきた。U snRNAに様々な長さの断片を挿入し長大化させたところ、約300塩基長以上の断片を挿入されたU snRNAは挿入断片の塩基配列にかかわらず、mRNAの経路で核外へ輸送されることが分かった。挿入配列が短くなるに従いU snRNA型の輸送機構に徐々に戻り、挿入配列が約100塩基長以下の場合には、ほぼU snRNAとして振る舞うという結果を得た。逆に、イントロンを持たないmRNAを欠失により100塩基長程度以下の長さに短小化すると、短くなったmRNAは、U snRNAの経路で核外へ輸送されることが分かった。300塩基程度以上の長さがあればmRNAのままであるが、200塩基程度であれば中間の表現系を示す事も確認した。さらに、RNAの長さに応じて、核の中でRNAに結合する因子が変化することを、免疫沈降法やin vivo UVクロスリンク法を用いて明らかにした。これらの結果から、RNAの長さがRNAの身分証明過程における重要な要素である事が示された。さらに、以上の結果は、細胞の中の何らかのたんぱく質因子が、核外輸送の際にRNAの長さを関知している事を示唆していたので、その候補因子の同定を試みた結果、SRタンパク質と呼ばれる一群の核内RBA結合性タンパク質が、核の中で長いRNAに優先的に結合し、そのRNAの核外輸送を司ることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)