2004 Fiscal Year Annual Research Report
高次機能性RNA結合蛋白質によるゲノム情報発現制御
Project/Area Number |
14035243
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩見 春彦 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60202107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
塩見 美喜子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20322745)
|
Keywords | 翻訳調節 / RNAi / miRNA / 神経系前駆細胞 / 脆弱X症候群 |
Research Abstract |
ショウジョウバエ脆弱X症候群遺伝子FMR1相同遺伝子(dFMR1)を欠失したハエを作成し、既にその成虫は概日リズムの異常を示すこと明らかにしたが、現在、概日リズムや記憶障害だけでなく性行動をも定量的に観察し、dfmr1遺伝子の欠失した神経細胞が行動発現ネットワークにおいてどのような振る舞いをするかを検討している。一方、生化学的解析により既にdFMR1タンパク質がRNAi必須因子AG02を含むRNAi分子装置に組み込まれた因子であることを明らかにし、「RNAi分子装置の異常による疾患」というヒト分子遺伝学の全く新しい領域を開いたが、dFMR1による翻訳調節機構を理解するために、ハエ培養細胞からdFMR1複合体(dFMR1-RNP)を精製し、新たに2つの構成蛋白質、LingererとRasputin、を同定した。さらに、この複合体にはmiRNAを含む20〜75塩基長の小分子RNAが含まれていることも判明した。 また、研究分担者岡野は、神経系前駆細胞の運命決定に異常を来す変異体の責任遺伝子として同定されたmusashi遺伝子の機能解析において、既に標的mRNAの同定及びそのMusashiタンパク質による翻訳調節機構の解析に大きな成果をあげているが、Musashiタンパク質はm-numbを含む下流標的mRNAの翻訳制御を行う因子であることを明らかにした。また、最近、その機能発現の機構解明のために、TAP法を用いて培養細胞系よりMsi1共役蛋白質の濃縮・精製を行い、MALDI-TOF MS法で二種の共沈蛋白質を解析した結果、PolyA Binding Protein 1(PABP1)、IGF2 mRNA Binding Protein(IMP)が同定された。Msi1は、PABP・5'-capを介した翻訳開始複合体に作用する可能性を示す結果を得た。
|
Research Products
(7 results)