2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 興太朗 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (80142008)
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Keywords | オーキシン / 信号伝達系 / 遺伝子発現 / 突然変異体 / 屈性 |
Research Abstract |
I.ARFとAux/IAA遺伝子族の機能の包括的研究:これら遺伝子族の機能を明らかにするために、遺伝子破壊株の表現型を調べた。シロイヌナズナに23個存在するARFについてはその内の16個、29個存在するAux/IAAについては、MSG2/IAA19とタンパク質構造とプロモーター配列の両方が類似しているIAA6、ドメインIIを持っていない非典型的Aux/IAAであるIAA20など、7個について遺伝子破壊株の表現型を調べた。 その結果、最終的な結果はまだ得られていないものの、ARF8以外は表現型異常は観察されなかった。同変異体は、光非感受性突然変異体で、ARF8は光感受性の正の調節因子であると考えられる。同変異体のオーキシン感受性は野生型とほぼ変わらなかった。しかし、胚軸の屈光性は反応性がやや減少していたので、オーキシン感受性もわずかではあるが減少している可能性がある。 II.IAA19の上流因子の探索:オーキシンの初発反応の分子機構を明らかにするためにIAA19遺伝子発現に異常をきたした突然変異体の単離を試みた。IAA19プロモーターGFP融合遺伝子を導入したシロイヌナズナ形質転換体を変異原処理し、GFPの発現が野生型より低下している系統を数十系統単離した。現在、これらの系統を整理中である。 III.ARF7の下流因子の探索:胚軸の屈性反応におけるARF7/NPH4の標的遺伝子を明らかにする目的で、野生型とnph4-102の遺伝子発現プロフィールをDNAマイクロアレーを用いて比較した。標的遺伝子の候補が数個得られ、現在その確認をおこなっている。
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