2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 興太朗 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80142008)
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Keywords | 遺伝子 / オーキシン / シグナル伝達 / 植物 / 発生・分化 / 発現制御 |
Research Abstract |
オーキシンによる屈性反応の中心であるNPH4/ARF7とMSG2/IAA19の相互作用の特異性を調べるために、MSG2遺伝子のプロモーター・スワッピング実験をおこなった。msg2とaxr2/iaa7のcDNAをAXR2のプロモーターで駆動する構築物で形質転換した植物を調べると、axr2 cDNAの場合はほぼaxr2の表現型が観察されたのに対し、msg2 cDNAの場合は、ほぼmsg2の表現型を示した。このことは、生理現象を規定しているのは個々のAux/IAAタンパク質の特性であって、たとえ同じ発現パターンで発現させても、違うAux/IAAタンパク質は同じ反応を引き起こさないことを示している。一方、AXR2タンパク質とよく似たアミノ酸配列を持つslr/iaa14のcDNAをAXR2プロモーターで駆動すると比較的axr2に似た表現型を示す形質転換体が得られたので、アミノ酸配列が似ていれば、二つのAux/IAAタンパク質は交換可能でもあることもわかった。屈性反応でNPH4の下流で働く因子を同定するために、nph4-103の抑制変異snpの単離・同定をおこなった。その結果、3個の抑制変異遺伝子座を得たが、遺伝地図をもとにしたマッピングの結果、SNP2はブラシノステロイド(BR)合成酵素遺伝子DWARF4(DWF4)であることがわかった。snp2は、nph4の屈光性と屈地性異常の両方を部分的に回復させる。dwf4ではBRレベルが下がっているので、BR合成阻害剤の効果を調べたところ、同阻害剤もnph4の屈性異常を抑制した。この結果は、BRが屈性の負の調節因子であることを示しており、屈性はオーキシンとBRの二つの植物ホルモンによって拮抗的に調節されていることを初めて明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Disruption and overexpression of Auxin Response Factor 8 gene of Arabidopsis affect hypocotyl elongation and root growth habit, indicating its possible involvement in auxin homeostasis in light condition.2004
Author(s)
Tian, C.-e., Muto, H., Higuchi, K., Matamura, T., Tatematsu, K., Koshiba, T., Yamamoto, K.T.
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Journal Title
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[Journal Article] Overexpression of CONSTITUTIVE DIFFERENTIAL GROWTH 1 gene, which encodes a RLCKVII-subfamily protein kinase, causes abnormal differential and elongation growth after organ differentiation in Arabidopsis.2004
Author(s)
Muto, H., Yabe, N., Asami, T., Hasunuma, K., Yamamoto, K.T.
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Journal Title
Plant Physiol. 136
Pages: 3124