2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14036206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長戸 康郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 信 名古屋大学, 生物機能開発利用センター, 教授 (00270992)
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Keywords | イネ / 胚発生 / 領域化 / 茎頂分裂組 / 突然変異 / パターン形成 / 葉原基 |
Research Abstract |
・初期胚における軸形成と領域分化 胚器官の分化パターンの変異体のうち、胚における軸の変更を示すare2と頂部-基部領域の相対的なサイズの変異(不完全なシュートと複数の幼根)を示すmr1の解析を進めていたが、両者は対立関係にあることが分かった。表現型の傾向は違うものの、両者とも胚器官の数と位置の異常を示すもので、胚のパターン形成機構を明らかにするために興味深いものである。ほぼ原因遺伝子を特定し、相補性検定と発現解析を行っている。 ・側生器官の分化と茎頂分裂組織の領域分化 葉間期を短くするpla2の解析を進めた。変異体では葉が短くなるが、それは、成熟が早まり、生長が短期間で終了するためであった。PLA2はRNA結合タンパクをコードし、トウモロコシのTE1のオーソログである。SAMでは発現せず、葉の頂部及び葉縁で発現していた。PLA1は葉の基部(背軸側)で発現し、変異体ではやはり葉の成熟が早まっていた。従って、PLA1,PLA2の機能は葉の成熟を抑えることであると考えられる。未熟な葉原基は新しい葉原基の分化を抑制すると言われてきたが、pla変異体では未熟な葉原基からの抑制シグナルが早期に解除されるため葉間期が短くなったと考えられる。 葉の向背軸性に関わるADL1を単離したところ、カルパイン様システインプロテアーゼをコードしていた。adl1-1,adl1-2では、葉が向軸化しているので、カルパイン様システインプロテアーゼは背軸側を決定するためのシグナルに関係していると思われる。これとは別に、胚のシュートが欠失するshootless3のポジショナルクローニングも進めていたが、ADL1のアリルであることが判明した(adl1-3)。adl1-3は、胚発生でシュートが分化しないという、adl1-1,adl1-2とは全く異なる表現型を示す。
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Research Products
(5 results)