2005 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌細胞表層におけるリポタンパク質の選択的膜局在化と品質管理の分子機構
Project/Area Number |
14037212
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳田 元 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (40125943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 伸一 立教大学, 理学部, 教授 (50183108)
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Keywords | リポ蛋白質 / ABCトランスポーター / 分子シャペロン / 大腸菌 / 膜局在化 / 外膜 / 再構成 |
Research Abstract |
大腸菌は、内膜または外膜のペリプラズム側にアンカーした90種以上のリポ蛋白質を持っている。+2位にAspを持つリポ蛋白質のみが内膜に局在する。外膜特異的リポ蛋白質は、Lolシステムの作用で内膜から遊離し外膜に運ばれる。LolCDEからリポ蛋白質を受け取るLolAに変異を導入し、機能を析した。C-末端のループはLolBには無い構造であるが、この領域を完全に除去すると活性は消失した。しかし、数アミノ酸残基の欠失は機能に影響しない場合が多く、特に高く保存されているC-末端部分は不要であった。一方、3_<10>ヘリックスを欠失させると機能の欠陥を生じたが、これはLolA-リポ蛋白質複合体が不安定になるためであることを推測させた。LolBの変異体を系統的に機能解析した結果、リポ蛋白質の受け取りと、膜への組み込みの二つの機能を明確に分けられることが判明した。膜への組み込みに欠陥が生じたLolB変異体は、68位のLeuが極性残基に変異していた。Leu68は、結晶構造から膜との相互作用の重要性が推測されていた残基である。膜組み込みの機構に迫る成果と考える。リポ蛋白質NlpEは、Cysによってオリゴマー構造を形成すること、亜鉛イオンによってオリゴマー構造の形成が影響されることを明らかにした。Cysを他のアミノ酸に変異させた時、NlpEのストレス応答機能がどのように影響されるかを解析した。緑膿菌のシグナルは大腸菌とは異なるのではないかと予想し解析した。大腸菌では働かない、+3+4位の残基が重要であることを見いだした。さらに、緑膿菌のLol因子を精製し、再構成を構築して、大腸菌と緑膿菌で共通しているシグナルと、異なっているシグナルを明確にした。
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Research Products
(7 results)