2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14037233
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 和俊 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70182194)
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Keywords | 分子シャペロン / 小胞体 / 折り畳み / 分解 / 膜タンパク質 / 転写誘導 / マイクロアレイ解析 / 品質管理 |
Research Abstract |
小胞体におけるタンパク質の品質管理は、小胞体シャペロンによる折り畳み促進と小胞体関連分解による異常タンパク質の排除という相反する2つの機構により成立している。小胞体シャペロン、小胞体関連分解因子ともにそれらの多くが小胞体ストレスにより転写誘導されることはよく知られている。代表者は、小胞体における品質管理に関与する因子を網羅的に明らかにすることを目的としてマイクロアレイ解析を行い、Derlin-2およびDerlin-3と名付けられた新規遺伝子を同定した。これらの遺伝子の解析から以下の結果を得た。 1)Derlin-2は普遍的な、Derlin-3は限定的な組織発現パターンを示すこと 2)ともに、小胞体関連分解因子の発現を制御すると考えられているIRE1-XBP1経路により転写誘導されること 3)ともに小胞体局在性の膜貫通型タンパク質であること 4)これらは複合体を形成すること 5)ともに異常タンパク質(Null Hong Kong variant of a1-antitrypsin : NHK)に結合すること 6)これらの過剰発現はNHKの小胞体関連分解を促進し、ノックダウンはNHKの小胞体関連分解を抑制すること 7)ともに、異常タンパク質の引き出しに関与する細胞質ATPase(p97)に結合すること 8)ともに、異常糖タンパク質を認識する内腔タンパク質EDEMに結合すること 以上の結果は、Derlin-2およびDerlin-3がともに小胞体関連分解因子であり、これまで不明であったEDEMによる異常タンパク質の認識とp97による異常タンパク質の引き出しという2つのプロセスの間をつなぐ分子であることを示している。Derlin-2およびDerlin-3の更なる解析により小胞体関連分解機構の詳細が明らかになると期待される。
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Research Products
(2 results)