2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14037241
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河田 康志 鳥取大学, 工学部, 教授 (40177697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝端 知宏 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50263489)
本郷 邦広 鳥取大学, 工学部, 助手 (80335504)
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Keywords | 分子シャペロン / シャペロニンGroEL / 機能発現機構 / アミロイド線維形成 / コンフォメーション変化 / GroES / αシヌクレイン |
Research Abstract |
蛋白質は立体構造を正しく形成して機能しているが,その構造は様々な環境要因によって一定ではない。これらの構造変化に分子シャペロンが密接に関与している。この分子シャペロンの機能発現機構と蛋白質のコンフォメーション変化について詳細に研究した。 シャペロニンの機能発現の研究:シャペロニンGroELは高等動物まで保存されており,Hsp60として様々な機能を発揮していると考えられている。今回ゼブラフィッシュの尾ひれの細胞の再生にHsp60が重要な役割を果たしていることを分子論的に明らかにした。一方,GroELの機能発現における各ドメイン,特に中間ドメインと頂上ドメインの構造変化を速度論的に明らかにした。ATP, GroES,基質蛋白質の結合による様々な動きを内在性Trp残基の導入や化学修飾法を駆使して解析した結果,5つの速度論的に異なる現象を発見し,それぞれがドメインの動きや機能に重要な役割を担っていることを明らかにした。また,グループII型のシャペロニンの機能発現機構にコバルト,マンガン依存的ATPase, ADPase活性があることも明らかにした。 蛋自質アミロイド線維形成メカニズムの研究:シャペロニンの一つである7量体蛋白質のGroESは塩酸グアニジン変性条件下で,典型的なアミロイド線維を形成することを発見するとともに,変性剤濃度の違いによって,核形成段階と伸張反応段階に優位さがあることを発見した。SAXSによる分子のコンパクトさの違いによってこれらアミロイド線維形成に差がでることを分子論的に明らかにした。 一方,パーキンソン病の原因蛋白質であるαシヌクレインのアミロイド線維形成機構を分子論的に明らかにし,同種のアミロイド線維核だけではなく,全く異なった蛋白質のアミロイド線維核の添加によってもαシヌクレインはアミロイド線維を早く形成することを証明した。この結果は,アミロイド依存的に発症するコンフォメーション病の伝播という概念に重要な示唆を与えるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)