2002 Fiscal Year Annual Research Report
可視化タンパク質を用いた新たなタンパク質処理機構の解明
Project/Area Number |
14037248
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 満 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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Keywords | 自己免疫疾患 / AIRE / nuclear body / time-lapse / 核外輸送 |
Research Abstract |
自己免疫疾患の発症に関わるAIRE(autoimmune regulator)遺伝子の分子動態を詳細に解析する目的で、蛍光蛋白GFPとAIRE cDNAとの融合遺伝子を構築し、HeLa細胞に導入したstable transfectant(GFP-AIRE/HeLa)細胞株を樹立した。AIREタンパク質は、核内に直径0.1μm〜1μmの大きさで5〜20個存在するnuclear bodyの形態をとると考えられているが、私達の樹立したGFP-AIRE/HeLa細胞株を蛍光顕微鏡下に観察したところ、予想通りnuclear bodyの形成が認められた。本年度は、proteasome inhibitor処理によるAIREタンパク質の発現増強と核小体への移行をリアル・タイムで捉えるため、proteasome inhibitor処理後のGFP-AIRE/HeLa細胞株をtime-lapse撮影可能な蛍光顕微鏡下で観察した。その結果、nuclear bodyの核小体への移行が、あらかじめ、核質の中で粒子サイズを増したAIREタンパク質が核小体に移行することを突き止めた。他方、roteasome inhibitor処理によって認められた変化は、核から細胞質への輸送を阻害すると考えられているLeptomycin B(LMB)の同時処理により、完全に消失することを見い出した。LMBによって、proteasome inhibitor処理によるAIREタンパク質の発現増強と核小体への移行が阻止される現象が、(1)既に起こったproteasome inhibitorによる効果を解除するものか、あるいは、(2)LMBはproteasome inhibitorに直接拮抗することにより、proteasome inhibitor処理効果を消去するのかを明らかにする実験を継続中である。
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Research Products
(1 results)