2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14037256
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小椋 光 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (00158825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 邦俊 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (90212290)
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Keywords | AAAタンパク質 / 分子シャペロン / ATP依存性プロテアーゼ / ATPase / トランスロケーション / 線虫 / タンパク質凝集体 / 微小管 |
Research Abstract |
AAA型シャペロンの共通分子基盤である、ATP加水分解機構、基質タンパク質のトランスロケーション機構について解析し、AAAプロテアーゼFtsHの変異体の解析から、ATPaseリングの孔に位置する酸性残基の重要性や基質特異性に関わる残基を明らかにした。さらに、FtsHがapo-flavodoxinを分解することを見出し、分解がポリペプチド鎖の内部から始まることを明らかにした。また、線虫のfidgetinホモログの解析から、ATP加水分解の「分子間触媒モデル」とサブユニット間の協調性に関する知見を得た。以上の成果は、4篇の論文で発表した。線虫のparapleginホモログとFtsHのキメラタンパク質のin vitro解析から、これまでATPの加水分解が必要と考えられていた基質ポリペプチドのトランスロケーションがATPの結合だけでも起こるという結果を得、しかも驚いたことに、ADPでも十分であるという結果を得た。トランスロケーション機構について再考を迫る新しい知見である。一方、線虫のp97についてin vitroで、タンパク質の凝集体形成を抑制するシャペロン活性を認めた。p97の欠失変異体の解析から、p97は雌雄同体株において精子形成から卵母細胞形成へのスイッチングに働くこと、さらに生殖腺形成にも関与することを明らかにした。線虫には、p97のアダプタータンパク質と予想されるUBXタンパク質が5種類存在し、そのうちの3種類を同時にノックダウンするとp97欠失株と同様の表現型を示すことが分かった。Spastinホモログと微小管との相互作用を解析し、spastinホモログがチューブリンと直接相互作用すること、その相互作用にはN末端ドメインが必要であることなどを確認した。また、spastinホモログは、時期特異的選択的スプライシングにより、2種類の産物ができることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)