2002 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質のTh2免疫応答への影響と易感染性との関連
Project/Area Number |
14042222
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高本 雅哉 信州大学, 医学部, 講師 (90226928)
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Keywords | アレルギー / 内分泌攪乱物質 / T細胞 / サイトカイン / ビスフェノールA / インターロイキン4 / リーシュマニア / 旋毛虫 |
Research Abstract |
昨年度の研究において、エストロジェン様の作用を示す環境ホルモンの1つであるビスフェノールA(BPA)が、Th1およびTh2サイトカイン産生にどのような影響を及ぼすか検討し、Th2細胞からの抗原特異的IL-4産生のみを有意に上昇させることを報告した。今回さらに、Leishmania major感染マウスを用いたin vitroにおけるBPAの作用とin vivoにおけるBPAの影響を検討した。 L. major感染マウス脾細胞からのサイトカイン産生に対するBPAの影響は、Th1タイプの応答を示すB6マウスではIFN-γ産生に対してはまったく影響を及ぼさなかったが、Th2タイプの応答を示すBALB/cマウスにおいてはIL-4産生のみがBPA添加により上昇した。さらにBPAを投与したマウスは旋毛虫感染後10日目の腸間膜におけるIL-4, IL-10産生が有意に上昇した。IL-5, IL-13産生には差が見られなかった。IgE産生や好酸球増多はBPA投与マウスと非投与マウスの間に差は認められなかったが、回収された幼虫数がBPA投与マウスにおいて減少していた。これらの結果からBPAはTh2細胞を活性化させIL-4産生を上昇させることが示唆された。 さらに、BPAのL. major感染抵抗性/感受性に及ぼす影響についても検討を開始した。BPA投与によりL. major抵抗性のB6マウスが感受性となる事はなかったが、感受性のBALB/cマウスはやや抵抗性を示した。BALB/cマウスにおいてはIFN-産生の上昇を認めた。現在そのメカニズムについて検討中である。
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Research Products
(1 results)