2002 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス共役メタラサイクルの位置選択的合成と電子機能分子への変換
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14044021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
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Keywords | メタラサイクル / コバルト / ルテニウム / 幾何選択性 / π共役高分子 / レドックス / 高分子錯体 |
Research Abstract |
芳香性を有するπ共役メタラサイクルは、π共役導電性高分子などの電子機能物質のユニットとして注目される。完全に位置選択的なメタラサイクル形成反応の達成は、π共役長を制御する上で重要である。本研究では、ドナーおよびアクセプター分子を付加したアセチレン類からメタラサイクルを生成する反応を利用して、完全に位置選択的環形成を達成し、さらに高分子化によって、電子機能分子を合成することを目的とする。ここでは、コバルトとルテニウムを含むメタラサイクルに関し、以下の結果を得た。 コバルタシクロペンタジエンの合成において2種のアセチレンを付加させる場合には、ホモ付加体の生成を抑えて、目的とするヘテロ付加体のみを得る必要がある。そこで、2種のアセチレン、Ph-C≡C-CH_3とPh-C≡C-CF_3の逐次付加による選択的合成の検討を行った。1当量のPh-C≡C-CH_3を先に反応させた場合、CpCo(PPh_3)_2とモノアセチレン錯体の平衡が存在したが、Ph-C≡C-CF_3を先に反応させた場合、安定なモノアセチレン錯体が生成し、さらにPh-C≡C-CH_3との反応により、ヘテロ付加体が選択的に生成した。 ルテナシクロペンタトリエンポリマーの合成を検討し、[(HexCp)RuBr(cod)]と4,4'-diethynylbiphenylの0℃での反応により、黒色フィルム状の固体ポリ(ビフェニレンルテナシクロペンタトリエニレン)を得た。GPC測定(ポリスチレン基準)より得られた分子量はM_n=3400, M_w=5800, M_w/M_n=1.7であり、重合度6のオリゴマーが主な成分だが、最大重合度が40程度であると示された。UV-vis-NIR吸収スペクトルの測定から、ポリマーのλ_<max>はモノマーのそれに比べて20nm程度レッドシフトし、共役系が拡大していることが示された。ポリマー中におけるメタラサイクル部分同士の相互作用は、電気化学測定の結果からも支持された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Nishihara: "Redox Chemistry and Functionalities of Conjugated Ferrocene Systems"Adv. Inorg. Chem.. 53. 41-86 (2002)
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[Publications] S.Habe, T.Yamada, T.Nankawa, J.Mizutani, M.Murata, H.Nishihara: "Synthesis, Structure, and Dissociation Equilibrium of [Co(η^5-C_5H_5)(Se_2C_6H_4]_2, a Novel Metalladiselenolene Complex"Inorg. Chem.. 42(6). 1952-1955 (2003)