2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機チタン活性種を活用する多元素環状化合物の新合成法の開発
Project/Area Number |
14044022
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
武田 猛 東京農工大学, 工学部, 教授 (40111455)
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Keywords | チタンカルベン錯体 / チオアセタール / 二価チタノセン / 末端オレフィン / ピロリジン / カルボニルオレフィン化 / 環状シリカート / ビニル銅 |
Research Abstract |
本研究ではチオアセタールと二価チタノセンCp_2Ti[P(OEt)_3]_2の反応により生成するアルキリデンチタン錯体の反応性とその環状化合物合成への応用について研究を行った。すでに分子内にチオアセタール構造を持つエステルの分子内オレフィン化反応により環状エノールエーテルが得られることを報告している。そこで同様の出発物質を用いるアミドの分子内反応による含窒素五員環化合物の合成について検討したところ、オレフィン化反応の中間体であるオキサチタナシクロブタンから更に還元が進み、ピロリジン誘導体が選択的に得られることを見出した。 一方、チタンカルベン錯体とエチレンから生成するチタナシクロブタンの反応性は、チオアセタールの脱硫還元に使用する二価チタノセンの配位子に依存し、亜リン酸トリエチル錯体ではチタナサイクルからメタセシス型の、またイソブテン錯体ではβ-ヒドリド脱離型の反応が進行することを見出した。イソブテン錯体を用いるオレフィンとのβ-ヒドリド脱離を経由する反応はエチレンばかりでなくスチレン誘導体の場合にも進行し、β-置換スチレンをE選択的に与えた。イソブテン錯体の反応性は高く、閉環メタセシスに適用すると、嵩高い置換基を持つ場合にも環状多置換オレフィンが収率良く得られた。また最近チタンカルベン錯体の新しい調製法としてハロゲン化アルキル-二価チタノセン系を開発している。この手法をさらに拡張することを考え、α-ハロエーテル類を用いるカルボニル・オレフィン化を試みたところ、ビニルエーテルが好収率で得られた。 一方、γ-シリルアリルアルコールの銅アルコキシドの、酸素原子を含む環状シリカートを経由するビニル銅活性種への変換について検討した。その結果、この有機銅中間体が多様な有機ハロゲン化物と反応することを見出した。また同様の反応はγ-シリル-α,β-不飽和ケトンの銅エノラートの場合にも進行することが判った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeshi Takeda: "Preparation of Alkynylcyclopropanes by the Titanocene(II)-promoted Reactions of 1,1-Bis(phenylthio)-2-alkynes with 1-Alkenes"Tetrahedron Lett.. 43・32. 5641-5644 (2002)
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[Publications] Akira Tsubouchi: "Titanocene(II)-promoted reactions of thioacetals with ethylene : selective formation of terminal olefins with one-or two-carbon homologation"Tetrahedron Lett.. 43・33. 5755-5758 (2002)
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[Publications] Takeshi Takeda: "Carbonyl olefination utilizing an alkyl halide-titanocene(II) system"Chem.Commun.. 17. 1974-1975 (2002)
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[Publications] Haruhiko Taguchi: "First anionic silyl migration from sp^2 carbon to carbonyl oxygen. Stereospecific allylation of (Z)-β-trimethylsilyl-α, β-unsaturated ketones"Chem.Commun.. 19. 2218-2219 (2002)
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[Publications] Haruhiko Taguchi: "Copper(I) tert-Butoxide-Promoted 1,4 C^<sp2>-to-O Silyl Migration : Generation of Vinyl Copper Equivalents and Their Stereospecific Cross-Coupling with Allylic, Aryl, and Vinylic Halides"J.Org.Chem.. 67・24. 8450-8456 (2002)
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[Publications] Takeshi Takeda: "Taitanium-Based Olefin Metathesis and Related Reactions in "Titanium and Zirconium in Organic Synthesis""Wiley-VCH Verlag GmbH (Weinheim). 512 (2002)