2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ原子を含む反応性大環状ホストによるポリロタキサンの合成と変換反応
Project/Area Number |
14044027
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 大介 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90311662)
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Keywords | ポリロタキサン / マクロサイクル / シロキサン / フェロセン / 結合形成反応 / 環化反応 |
Research Abstract |
大環状有機分子とその内孔を貫通する軸状高分子とからなるロタキサンおよびポリロタキサンは、弱い分子間相互作用により2種の分子の相対配置が柔軟に変わる特徴ある構造をもつ超分子である。本研究では、2個のアリールパラジウム錯体のアリール配位子部分を長鎖のオリゴエチレンオキシド鎖で連結した化合物の環化による大環状分子の構築を試みた。まず、通常の分子間の有機パラジウム錯体のトランスメタル化による炭素-炭素結合形成反応をモデルとして検討し、カチオン化することによってきわめて円滑に結合形成がおきることを明らかにした。これを用いて、長鎖の連結部分を有するパラジウム錯体にホウフッ化銀を加えてカチオン化したところすみやかな環化反応がおこり、官能基を有するクラウンエーテルを合成することができた。この反応は高希釈条件などの特別な操作を用いることなく、円滑に環化反応をおこすことがわかった。反応を精査したところ、用いたホウフッ化銀の銀カチオンを中心とする鋳型効果によって分子内環化が分子間のカップリングに優先しておこることがわかった。さらに、これをアシルパラジウム錯体に応用してカルボニル基を含むクラウンエーテルを合成することにも成功した。これらの大環状化合物は長鎖アミンの4級塩とまぜることによってロタキサンを生成することがわかった。 さらに、ロタキサンのゲストとしてフェロセンを含有するカチオン性化合物を用いると、可逆なロタキサン形成と脱離が見られ、メタロセン部分の金属の価数を変化させることによって大環状分子が自由に着脱することが明らかになった。このような電気刺激による選択的なロタキサン形成は機能性超分子として興味深い。 次年度は、本年度の研究成果に基づき、白金化合物に同様な反応を行って環状分子部分に白金を含んだ大環状分子やこれを構成要素としたロタキサン、ポリロタキサンの合成と機能開発をおこなう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Makoto Tanabe, Kohtaro Osakada: "Structure of 4-Sila-3-platinacyclobutene and its Formation via Pt-Promoted γ-Si-H Bond"Journal of the American Chemical Society. 124. 4550-4551 (2002)
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[Publications] Takeyoshi Yagyu, Yuji Suzaki, Kohtaro Osakada: "Chemical Properties of Cationic Phenylplatium Complexes with a 2,2'-Bipy Ligand. Oxidative Addition of MeI, Inserition of Allene"Organometallics. 21. 2088-2094 (2002)
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[Publications] Masumi Itazaki, Yasushi Nishihara, Kohtaro Osakada: "Platinum Complex Catalyzed Hydrosilylation and Isomerization of Methylenecyclopropane Derivatives. Effect of Structures of the Substrate"Journal of the Organic Chemical Society. 67. 6889-6895 (2002)
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[Publications] Y.Suzaki, T.Yagyu, Y.Yamamura, A.Mori, K.Osakada: "Disproportionation of PtPh(CH_2COMe)(cod) and Conproportionation of PtPh_2(cod) and Pt(CH_2COMe)_2(cod) via Intermolecular Phenyl Ligand"Organometallics. 21. 5254-5258 (2002)
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[Publications] Yasushi Nishihara, Miwa Takemura, Kohtaro Osakada: "Structure and Chemical Properties of Halohydrido(silyl)rhodium Complexes, RhX(H)(SiR^1_nR^2_<3-n>)(PPh_3)_2 (X = Cl,I). Difference in Their Stability and Reactivity"Organometallics. 21. 825-831 (2002)
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[Publications] Makoto Tanabe, Masaki Horie, Kohtaro Osakada: "Preparation, Structures, and Electrochemical Properties of Silaplatinacyclohexadienes with Ferrocenyl Pendant Groups"Organometalllics. 22. 373-376 (2003)