2002 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒を用いる二つの異なる炭素不飽和種への有機金属化合物の付加反応
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14044034
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
白川 英二 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (70273472)
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Keywords | 遷移金属触媒 / タンデムカルボメタル化 / 付加反応 / アルキニルスズ / アルキン / アレン / メタラサイクル |
Research Abstract |
二種の不飽和結合が炭素-金属結合間に連続的に挿入するタンデムカルボメタル化反応は、複雑な炭素骨格を一挙に構築できる上、生成物の炭素-金属結合を手がかりにさらに炭素-炭素結合を伸長できるので有機合成上有用であるが、これまでほとんど報告例がなかった。今回、ニッケル触媒存在下アルキンと1,2-ジエンのタンデムアルキニルスタニル化が、高い立体および位置選択性で進行することを見つけた。 例えば、Ni(cod)_2(5mol%)存在下、トリブチル(フェニルエチニル)スズと1-オクチン、1,2-ヘプタジエンを50℃で24時間反応させると、トリス(4-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィンのような単座ホスフィン配位子を用いた場合には、(3Z,6E)-3-ヘキシル-1-フェニル-6-(トリメチルスタニル)ウンデカ-3,6-ジエン-1-インが、[2-(ジメチルアミノメチル)フェニル](ジフェニル)ホスフィンのような二座配位子を用いた場合には、対応する(3Z,6E)-体が、それぞれ高い選択性で得られた。前者は、アルキンと1,2-ジエンのニッケル(0)錯体に対する酸化的環化で生じるニッケラシクロペンテン中間体を経由して生成するものと考えている。アルキニルスズとしてビス(トリメチルスタニル)アセチレンを用いると、一挙に六つの共有結合が形成され、対応する1:2:2付加体が得られる。
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