2002 Fiscal Year Annual Research Report
反応性ルテナサイクル中間体を経由する触媒的新規機能性有機分子の創製
Project/Area Number |
14044050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 輝幸 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20211914)
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Keywords | ルテニウム錯体触媒 / メタラサイクル / 炭素-炭素結合切断 / シクロプロペノン / ピラノピランジオン / ベンゼンポリカルボン酸 / 酸化的アミノ化反応 / 環状イミン |
Research Abstract |
新しい有機材料を創製することは、社会的に常に強く期待、要請されている重要な研究課題であり、最も有力な手段の一つは、新しい概念に基づく高選択的炭素骨格形成新反応による新しい型の機能性有機分子(モノマー)の合成である。本研究では、従来の有機金属化学において、錯体レベルでの研究が主であったメタラサイクル錯体を、触媒的新規機能性有機分子の合成反応に利用することを試みた。 本年度は、まず、ルテニウム錯体触媒(Ru_3(CO)_<12>/Et_3N触媒系)を用いる「シクロプロペノン」類の炭素-炭素結合切断/炭素骨格再構築反応による新規開環カルボニル化/二量化反応、およびアルキンとの交差カルボニル化反応による機能性有機分子「ピラノピランジオン」誘導体の触媒的新合成法を確立した。新規化合物「ピラノピランジオン」は、同一分子内に不飽和結合と2つのエステル基を有する芳香族性を有する化合物であり、その物性および高分子材料モノマーとしての利用が期待される。^<13>COを用いるラベル実験により、ルテナシクロブテノン、マレオイルルテニウム錯体といった反応性ルテナサイクル錯体、およびビスケテンルテニウム錯体が本反応の鍵中間体であることが明らかとなった。 さらに、ルテニウム錯体触媒、特にCp*RuCl(cod) / PPh_3[Cp* = pentamethylcyclopenta-dienyl, cod = 1,5-cyclooctadiene]触媒系を用い、アリルアルコール類とアセチレンジカルボン酸ジメチルに代表される電子求引性アセチレン類との新規[2+2+2]環化芳香族化反応を開発した。遷移金属錯体触媒を用いるアルケンとアルキンとの[2+2+2]付加環化反応では、一般に1,3-シクロヘキサジエン誘導体が得られるが、本反応ではアリルアルコールの水酸基が、反応性ルテナシクロペンテン中間体生成のための重要な配向基として、かつ有効な脱離基として作用するため、容易に芳香族化反応が進行し、ベンゼンテトラカルボン酸誘導体が高収率で得られたと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Teruyuki Kondo: "Rnthenium-Catalyzed Intramolecular Oxidative Amination of Aminoalkenes Enables Rapid Synthesis of Cyclic Imines"Journal of the American Chemical Society. 124・2. 186-187 (2002)
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[Publications] Teruyuki Kondo: "Rapid Ruthenium-Catalyzed Synthesis of Pyranopyrandions by Reconstructive Carbonylation of Cyclopropenones Involving C-C Bond Cleavage"Journal of the American Chemical Society. 124・44. 6824-6825 (2002)
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[Publications] Teruyuki Kondo: "Novel Synthesis, of Benzenepolycarboxylates by Ruthenium-Catalyzed Cross-Benzannulation of Acetylenedicarboxylates with Allylic Compounds"Organometllics. 21・21. 4564-4567 (2002)
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[Publications] Teruyuki Kondo: "Advances in Ruthenium Catalysis Novel Catalytic Reactions via η^3-Allylruthenium Intermediates"Current Organic Chemistry. 6号. 1163-1179 (2002)