2003 Fiscal Year Annual Research Report
複素環含有ペプチド性チオストレプトン系生物活性物質の合成研究
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14044099
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中田 雅也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50118981)
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Keywords | チオストレプトン / シオマイシン / チアゾール / チアゾリン / アゾメチンイリド / スルフィニミン / デヒドロペプチド / 光学活性 |
Research Abstract |
チアゾールまたはチアゾリンを複数個含有する天然物には,有用な生物活性をもつ化合物が多数存在する。ペプチド性チオストレプトン系抗生物質の代表的天然物には,チオストレプトン,チオペプチン類,およびシオマイジン類がある。本研究では,シオマイシンAを合成ターゲットとして,5つに分けたセグメントのうち,セグメントA, B, C, Dの合成およびそれらの連結に関する検討を行った。さらに本研究を通じて,光学活性スルフィニミン類の新しい簡便な合成方法を開発した。 1 セグメントAの合成:アゾメチンイリドとスルフィニミンのカップリング反応,立体選択的還元反応を鍵反応として合成した。 2 セグメントCの合成:Reissert-Henze反応,ヒドロキシメチル化反応,Boekelheide転位,不斉エポキシ化反応を鍵反応として合成した。 3 セグメントDの合成:2つの化合物を順次縮合し,デヒドロアラニン前駆体としてフェニルセレノ基を有するセグメントDを合成した。 4 セグメントBの合成:セグメントBを,セグメントB1とセグメントB2に分けて合成し,さらに両者を連結してセグメントBを合成した。 5 セグメントA-C-Dの合成:合成したセグメントA, C, Dを連結し,さらに環化させ,セグメントA-C-Dを合成した。 6 光学活性スルフィニミン類の合成:本研究から,光学活性スルフィナミド類とアルデヒド類の炭酸セシウムを用いた直接縮合による,光学活性スルフィニミン類の新しい簡便な合成方法が開発できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Higashibayashi: "Synthesis of Sulfinimines by Direct Condensation of Sulfinamides with Aldehydes Using Cs_2CO_3 as an Activating and Dehydrating Reagent"Synlett. 3号. 457-460 (2004)
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[Publications] S.Higashibayashi: "Synthetic studies on thiostrepton family of peptide antibiotics : synthesis of the pentapeptide segment containing dihydroxyisoleucine, thiazoline, and dehydroamino acid"Tetrahedron Letters. (掲載決定). (2004)