2002 Fiscal Year Annual Research Report
ピリジン環隣接位に不斉中心をもつ不斉新規P,N―リガンドの開発
Project/Area Number |
14044105
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
上西 潤一 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50167285)
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Keywords | キラルリガンド / 不斉反応 / ピリジン / ピロリジン / パラジウム触媒 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ピリジン環とリン原子を合わせ持つハイブリッド型不斉リガンドとしてピリジン環2位に隣接した不斉炭素とある一定の距離を挟んでホスフィン部を有する新規不斉複素環分子を合成し、多元素間協調による新しい不斉空間の構築とその有用性をさぐることにある。 平成14年度の本研究において以下のような新しい成果を得ることが出来た。 (1)ピリジン環の隣接位に不斉中心を有する光学的に純粋な6位アリール置換1-[2-(6-bromopyridinyl)]ethanolを原料に用い、数段階を経て6位にアリール置換基を有する1-(2-pyhdinyl)ethyl o-diphenylphenyl etherを収率よく合成した。得られたフェノールエーテルをスペーサーとするP,N光学活性キラルリガンドを不斉触媒として、1-acetoxy-1,3-diphenyl-2-propeneのパラジウム触媒による不斉アルキル化反応を行った。その結果、本配位子は39〜65%ee程度のの不斉導入能力を有することが分かった。 (2)ピリジン環の2,6位両側鎖エチル基1位に2-(diphenyphosphinomethyl)pyrrolidineが置換したビスP,N光学活性キラルピリジンリガンドを合成した。この際ピリジン側鎖はR配置に固定し、両側のピロリジン2位はR,RおよびS,S配置の両ジアステレオマーを合成した。これらを不斉触媒として、1-acetoxy-1,3-dipheny1-2-propeneのパラジウム触媒による不斉アルキル化反応を行った。その結果、R,R配置では30%ee、S,S配置では65%eeで不斉導入能力を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.Uenishi, M.Hamada: "Stereospecific substitution of enantiomerically pure 1-(2-pyridinyl)ethyl methane-sulfonate with β-dicarbonyl compounds"Chem.Pharm.Bull.. 50・5. 697-700 (2002)
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[Publications] J.Uenishi, M.Hamada: "Synthesis of enantiomexicaily pure 8-substituted 5,6,7,8-tetrahydroqumolines"Synthesis. 5. 625-630 (2002)