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2002 Fiscal Year Annual Research Report

分子の集合化を利用したサーモクロミズム

Research Project

Project/Area Number 14045212
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

小川 桂一郎  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50114426)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 原田 潤  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00313172)
Keywordsサーモクロミズム / 会合 / サリチリデンアニリン / 水素結合
Research Abstract

温度変化にともなって物質の色が可逆的に変化する現象はサーモクロミズムとよばれ,古くから化学者の関心を集めてきた.サーモクロミズムの原因はさまざまであるが,そのなかでプロトン互変異性は主要な原因の一つとして知られる.たとえば,サリチリデンアニリン(1)およびその誘導体では,OH形とNH形の間の平衡が温度によって移動することがサーモクロミズムの原因とされている.私たちは最近,サリチリデンアニリン類の飽和炭化水素溶液を冷却すると,NH形の存在率が著しく増加することを見出し,NH体の安定化には分子の会合が支配的な役割を果たしていることを明らかにした.本研究では,その会合体が分子間水素結合による二量体であることを示唆する結果を得た.すなわち,飽和炭化水素溶媒中低温での会合体形成は,サリチリデンアニリン類には一般的であるが,今回,t-ブチル基の置換体では置換位置に依存することを見出した.その結果から,会合体は分子間水素結合による二量体であると推定した.この二量体では,N-Ph結合の捻れたNH体が逆向きに向かい合い,分子間水素結合を形成している.2つの分子のベンゼン環は,面と縁とが向かい合う形をとっている.このため,3位に置換基があると,それが向かいのベンゼン環とぶつかるので,二量体が形成されない.しかし,置換位置が5位,あるいは,アニリン側のベンゼン環であれば,二量体は形成される.NH体がこのような二量体を形成することによって著しく安定化されることは,分子軌道計算からも支持された.

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] M.Iwaoka, T.Katsuda, S.Tomoda, J.Harada, K.Ogawa: "Heavy-Row Atom Effects on the Strength of the Weak Nonbonded Interaction between Divalent Seleniun and Halogen Atoms"Chem. Lett.. 31. 518-519 (2002)

  • [Publications] K.Ogawa, J.Harada: "Aggregation controlled proton tautomerization"J. Mol. Struct.. 647. 211-216 (2003)

  • [Publications] 小島, 下井, 小川, 増田, 阿波賀: "現代物性化学の基礎"講談社サイエンティフィク. 228 (2003)

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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