2002 Fiscal Year Annual Research Report
疎水性相互作用による抗体-光増感剤複合体を用いた光線力学治療
Project/Area Number |
14045221
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
蒲池 利章 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 講師 (30272694)
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Keywords | 光線力学治療 / モノクローナル抗体 / クロリンe6 / フタロシアニン |
Research Abstract |
光線力学治療は光増感剤をガン患者に投与し、光増感剤が取り込まれた後、腫瘍組織に光照射を行い、腫瘍を壊死させる治療法である。現在、光線力学治療用の光増感剤として用いられているフォトフリンは腫瘍選択性が低いこと、組織透過性のよい長波長領域の光の吸光係数が小さく、深部の腫瘍の治療には適さないという欠点がある。そこで、本研究ではこれらの欠点を克服し、さらに抗体の高い腫瘍選択性と光増感剤の殺細胞効果を併せ持つ、抗体-光増感剤複合体の開発を目的としている。本研究では、抗体-光増感剤複合体の調製に疎水性相互作用を利用し、各種光線力学治療用光増感剤と抗腫瘍抗体とを疎水性相互作用により複合体とし、腫瘍に対する標的指向性を高めたミサイル光増感剤の創製を行った。これはモノクローナル抗体によって腫瘍部位に光増感剤を集め、可視光照射により腫瘍の治療を行うものである。 これまでに、亜鉛カルボキシフタロシアニンおよびクロリンe6を調製し、抗体との結合に関して研究を行った。また、亜鉛シフタロシアニンの分子中に存在するカルボキシル基あるいはスルホ基の数を変えたフタロシアニンを調製し、疎水性の違いによる抗体との複合体形成効率を検討した。亜鉛カルボキシフタロシアニンのカルボン酸の数は出発物質である無水カルボキシフタル酸と無水フタル酸の混合比を変えることにより調製し、逆相クロマトグラフィーを用いて精製した。亜鉛スルホフタロシアニンも同様の方法で調製した。調製したフタロシアニンおよびクロリンe6を抗体と疎水性相互作用により複合体形成させ、光増感剤の疎水性を変化させることによる光増感剤の抗体に対する結合数を変化させ、疎水性相互作用による複合体形成能の検討した。またこれらの化合物の光化学的性質を調べる。特に光励起三重項寿命をレーザーフラッシュ法により測定した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Miyaji, J.Fujita, T.Furuto, M.Takeguchi, T.Kamachi, I.Okura: "Methanol and poly-b-hydroxybutylate production from methane with Methylosinus trichosporium OB3b"Adv. in Tech. of Mat. and Mat.Proc.J.. 4(2). 66-69 (2002)