2002 Fiscal Year Annual Research Report
多重水素結合可能なデンドリティックポリアミドー線状高分子共重合体の合成
Project/Area Number |
14045224
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺境 光俊 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70251618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿本 雅明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90152595)
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Keywords | 高分子合成 / 超分子化学 / 多重水素結合 / デンドリマー / 芳香族ポリアミド / ガラス転位温度 / ポリビニルピリジン |
Research Abstract |
末端にカルボキシル基を複数個もつ芳香族ポリアミドデンドロン、およびデンドリマーを合成し、ポリ(4-ビニルピリジン)との多重水素結合による複合体の作製を行った。複合体を形成することでデンドロン自身の融点やガラス転位点、アクセプター分子のガラス転移点が消失し、新たに複合体のガラス転移点が179℃(1:1の場合)に観察された。複合体のガラス転移温度はドナー/アクセプター比とともに連続的に変化し、四重水素結合が形成可能はデンドロン、デンドリマーでは、1/2の時にもっとも高い温度となった。ポリ(4-ビニルピリジン)鎖のセグメント運動がデンドリマーとの多重水素結合により抑制されたためと考えられる。溶液中での分子鎖の運動性を磁場勾配法を用いたNMR測定により評価した。四重水素結合以上が可能なデンドリマーを用いた時は拡散定数が明らかに減少したが、二重水素結合では拡散定数の減少がほとんど見られなかった。水素結合を四重以上多重化すると溶液中でも分子鎖のセグメント運動を抑制されることが分かった。 中心核にベンジルクロリド基(リビングラジカル重合に対する開始剤官能基)をもち、末端に多数のカルボキシル基をもつデンドリマーの合成を試みた。すでに中心核にベンジルアルコール部をもつ第一世代芳香族ポリアミドデンドロンの合成には成功した。ヒドロキシル基をクロロ基に変換して開始剤部位を導入し、繰り返し単位数を制御したオリゴ(4-ビニルピリジン)鎖を成長させる。
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