2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14045237
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
谷口 貴志 山形大学, 工学部, 講師 (60293669)
|
Keywords | ゲル / 人工筋肉 / 高分子電解質 / 磁性粒子 |
Research Abstract |
近年、電解質ゲルを用いたイオン導電性高分子ゲル・アクチュエータが注目されている。これは、高分子ゲルの特徴により、従来のアクチュエータには無い柔らかな動きが実現可能な新規デバイス材料として期待されているためである。ゲルの内部構造を制御することにより、ゲルの動的・静的な力学特性を変化させる試みは、ゲル内部への磁性粒子の分散によっても行うことが出来る。このような視点から、ゲルの力学特性を外部刺激により制御する研究を行った。 電解質ゲル系の外部電場下での変形では、ゲル内部のイオンの運動と溶媒分子の動的な結合が、この現象に強く関与していると考えられている。本研究ではまず、電解質ゲルの電場応答の動的現象を記述するモデル方程式の構築を行った.構築したモデル方程式を用い、基礎的な場合である電極間に挟まれた板状ゲルの変形を調べた。その結果を、AsakaらのNaffion117での測定結果と比較した.我々の計算結果では、板状ゲルの曲率の時間発展は、曲率が電場印加後の時間関数として、1/R∝1-exp(-t/t_0)のように振舞うことが分かった. ゲルの内部構造を制御しゲルの力学的特性を制御するという観点から磁性粒子を分散させたゲルについての研究も行った.このゲルに一定方向の強磁場を印加することによって分散した磁性粒子の磁気双極子をある方向に揃えることが可能である。このような磁性ゲルを作成し、ゲル内の超音波の速度を測定することで、弾性率の方向依存性を測定した.双極子モーメントと変形の方向が平行な場合には弾性率が減少し、一方垂直な場合には増大する結果が得られ、弾性異方性を有するゲルを作成することが出来た.この弾性率の異方性を理論的に説明するために摂動論的手法を用い弾性率を解析計算した。その結果、各磁性粒子の双極子モーメント間の相互作用と変形による配置の変化により弾性率の異方性が生じていることが明らかになった.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] T.Mitsumata, E.Juliac, K.Furukawa, K.Iwakura, T.Taniguchi, K.Koyama: "Anisotropy in Longitudinal Modulus of Ferrite Containing Polymer Gels"Macromolecular Rapid Communication. 23. 175-178 (2002)