2002 Fiscal Year Annual Research Report
表面相互作用を利用したマクロ相分離の速度制御によるポリマーアロイのリサイクル
Project/Area Number |
14045246
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
陣内 浩司 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (20303935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 淳平 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (80220424)
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Keywords | 表面相互作用 / マクロ相分離 / リサイクル / 共焦点レーザ顕微鏡 |
Research Abstract |
研究実績は以下の通り 高分子二成分混合系にシリカ球を少量混合し、相分離過程においてこれらのシリカ球の空間配置がどのように変化するかについて共焦点レーザ顕微鏡を用いて三次元観察・構造解析を行う。実生活で既に使われている高分子材料(例えばタイヤなど)は、ゴム成分だけでなく、ガラスファイバーやカーボンブラックなどの"フィラー"を含んだ系であることが多く、従って、本研究で対象としている実験系はこれらのモデル系と考えることができる。つまり、シリカ球を"フィラー"と考え、(高分子)工業材料で重要な相分離構造とフィラーの関係を調べるわけである。 このようなフィラーを含む高分子混合系の相分離構造を三次元的に観察するためには、超えなくてはならない実験的なハードルが存在する。相分離構造とフィラーの相対的な位置関係を三次元で明らかにしなくてはならない。本研究では「二重染色法」を用いることとし、高分子混合系の一成分を364nmの光で励起することができる蛍光物質により修飾した。次に、内部に488nmで励起することができるシリカ球を合成した。励起波長を変えることでこれらの蛍光物質からの蛍光を独立に顕微鏡で観察することが可能であることを確認した。このような特殊な高分子およびシリカ球を合成することで上記の様な研究目的に沿って、相分離過程途中の相分離構造とシリカ球の相対的な位置関係を調べるための基礎を完成させた。来年度は、これらの試料を用いて相分離実験を行い、シリカ球の添加濃度・シリカ球の表面修飾、などが相分離構造に与える影響、また、相分離構造におけるシリカ球の空間配置等を共焦点レーザ顕微鏡により三次元観察する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Jinnai et al.: "Topological Similarity of Sponge-like Bicontinuous Morphologies"Adv. Mater.. 14. 1615-1618 (2002)
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[Publications] T.Hashimoto et al.: ""Sponge-like" Structures in Polymer Blends : Visualization, Physico-Mathematical Analysis, and Universality"Macromolecular Symposia. 190. 9-22 (2002)
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[Publications] 陣内浩司: "高分子構造の三次元立体観察"高分子. 51. 830 (2002)
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[Publications] Y.Iwayama et al.: "Optically Tunable Gelled Photonic Crystal Covering Almost the Entire Visible Light Wavelength Region"Langmuir. 19. 977-980 (2003)
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[Publications] 陣内浩司: "「高分子の構造(相分離)」工学系基礎教材「高分子科学 高分子の構造・物性」"文部科学省大学共同利用期間メディア教育開発センター(CD-ROM). (2002)