2002 Fiscal Year Annual Research Report
立体規則性高分子をテンプレートとする光応答性ポルフィリン集積体の構築
Project/Area Number |
14045253
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小幡 誠 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (70343267)
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Keywords | ポルフィリン / 水素結合 |
Research Abstract |
植物は効率的な光合成プロセスを実現するために、高い秩序性をもってポルフィリン分子を集積させたシステムを構築し、光励起状態の長寿命化、続く光誘起電荷分離を実現している。このポルフィリン分子集積体による光応答機能と光合成反応の中心における連続電子移動反応は、理論的見地だけでなく、新規光機能性材料への応用という実用的な観点からも非常に興味深い。特に人工光合成系の構築に関しては、ありとあらゆる立体配置のマルチポルフィリン化合物が合成され、その光誘起電荷分離能などを検証している。本年度はこのようなポルフィリン集積体に秩序構造を付与するために、その集積の場となりうる均一オリゴマーもしくは立体規則性を有する高分子の合成経路を検討した。 (1)レセプター分子とTPP-p-COOHの相互作用 まずはじめにカルボキシル基に相補的に水素結合を形成することが期待できる6-アミノニコチン酸誘導体とTPP-p-COOHの相互作用を^1HNMRにより検討した。CDCl_3中、室温で測定した^1HNMRは6-アミノニコチン酸誘導体のアミドプロトンに由来するピークがTPP-p-COOHの添加とともに明確に低磁場シフトを起し、合成した6-アミノニコチン酸誘導体がTPP-p-COOHのレセプターとして働くことを確認した。 (2)レセプター分子を側鎖に持つポリフェニレンエチニレンの合成 レセプター分子を側鎖に持つポリフェニレンエチニレンの合成を目指して、まず6-アミノニコチン酸に2,5-ジヨードヒドロキノンへの結合の足がかりとなる連結部位をエステル結合で導入した。この化合物に対して常法に従いエーテル結合による2,5-ジヨードハイドロキノンへの接続を試みたが、溶解性の問題とレセプター分子の性質上、強塩基を使用できないため、このルートでの合成は非常に困難であることが明らかとなった。現在、2,5-ジヨードヒドロキノン側から先に連結部をエーテル結合で導入する経路を試みている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Hamazawa: "meso-Tetraphenylporphyrin Having Hexa-maltosyl and Decyl Chain as an Amphiphilic Photosensitizer toward Photodynamic Therapy"Chemistry Letters. 3. 388-389 (2002)
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[Publications] T.Kakuchi: "Synthesis and Mechanism of a Main-Chain Chiral Polymer Based on Asymmetric Cyclopolymerization"Macromolecular Rapid Communination. 23(7). 395-406 (2002)
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[Publications] S.Yano: "Mononuclear to Tetranuclear Structural Transformation in Vanadyl Complexes of 3-Hydroxypyridine-2-carboxylic Acid(H_2hpic)"Chemistry Letters. 9. 916-917 (2002)
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[Publications] V.Percec: "Synthesis, Structural Analysis, and Visualization of Poly(2-ethynyl-9-substituted carbazole)s and Poly(3-ethynyl-9-substituted carbazole)s Containing Chiral and A chiral Minidendritic Substituents"Journal of Polymer Science, Part A : Polymer Chemistry. 40. 3509-3533 (2002)