2003 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピックスケールの三次元格子構造を有する液晶ソフトマテリアルの創製
Project/Area Number |
14045259
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊池 裕嗣 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50186201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 園 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40304745)
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Keywords | ブルー相 / 高分子安定化ブルー相 / 三次元周期構造 / ソフトマテリアル |
Research Abstract |
ブルー相(BP)は、キラルネマチック(コレステリック)相(N*)と等方相の間の極わずかの温度範囲(通常1K程度)で出現することのある液晶相の一つであり、光学的には等方的であるが可視光の波長オーダーの三次元周期構造を有することを特徴とする。本研究では、BPに高分子ネットワークを導入することにより、液晶分子のダイナミクスを失うことなく、BPの発現温度範囲を60K以上に拡大することに成功した。高分子ネットワークを形成させるためのモノマーとして2-ethylhexyl acrylate(EHA,Aldrich),1,3,3-trimethylhexyl acrylate(TMHA,Aldrich),n-hexylacrylate(HA,Aldrich),6-(4'-cyanobiphenyl-4-yloxy)hexyl acrylate(6CBA,液晶性モノマー)およびdiacrylate monomer(RM257,Merck Co.Ltd.)を用いた。液晶としてネマチック混合体(JC-1041XX,Chisso)と4-cyano 4'-pentyl biphenyl(5CB,Aldrich)の等モル混合体を用いた。ZLI4572(Merck Co.Ltd.)をキラルドーパントとして用いた。光重合開始剤として2,2-dimethoxy-2-phenyl acetophenone(DMPAP,Aldrich)を加えた。(JC-1041XX/5CB/ZLI4572=48/48/4)混合液晶について偏光顕微鏡観察を行ったところ、330.7K〜331.8Kの温度範囲でBP特有の板状組織が観察された。同一温度域で550nmをピーク波長とする特性反射が観測された。この反射はBP Iの(110)面による反射と帰属される。以上の結果よりSample 1は330.7K〜331.8KでBP Iを示すことが確認された。この温度域より高温では等方相、低温ではN*であった。光重合後の(EHA/RM257/JC-1041XX/5CB/ZLI4572=4/3/45/43/5)複合系では、326.4Kにおいて等方相の暗視野状態とBP特有の板状組織の可逆的な転移が観測されたが、260K以下に冷却してもN*の出現は観察されなかった。反射スペクトル測定においても、260K(装置下限)〜326Kで540nm付近に反射ピークが観測され、N*があれば出現するはずの410nmの特性反射はどの温度域でも観測されなかった。以上のことから、光重合後の(EHA/RM257/JC-1041XX/5CB/ZLI4572=4/3/45/43/5)複合系において260K〜326.4Kの60K以上の温度領域に渡りBPが発現したことが明らかとなった。筆者らの知る限り、これほど広い温度幅に渡りBPが観測された報告例はこれまでない。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Yang, H.Kikuchi, T.Kajiyama: "(Homeotropically Oriented Polymer Network/Side Chain Type Liquid Crystalline Polymer/Liquid Crystals/Chiral Dopant) Composite with Thermally-Addressed and Electrically-Erasable Properties"Molecular Crystals & Liquid Crystals. Vol.381. 85-99 (2002)
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[Publications] H.Kikuchi, M.Yokota, Y.Hisakado, H.Yang, T.Kajiyama: "Polymer-stabilized Liquid Crystal Blue Phases"Nature Materials. Vol.1. 64-68 (2002)
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[Publications] H.Abe, H.Kikuchi, K.Hanabusa, T.Kato, T.Kajiyama: "Improvement of Light Switching Contrast of Liquid Crystalline Composite Gel by Adding Polar Organic Solvent"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. Vol.399. 43-52 (2003)
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[Publications] H.Abe, H.Kikuchi, K.Hanabusa, T.Kato, T.Kajiyama: "Morphology Control of Liquid Crystalline Composite Gels Based on Molecular Self-Assembling Kinetics"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. Vol.399. 1-15 (2003)