2003 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合性相互作用を組み込んだ燃料電池用高分子電解質膜の合成
Project/Area Number |
14045265
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
陸川 政弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (10245798)
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Keywords | 高分子電解質 / プロトン伝導性 / 燃料電池 / フラーレン / 水素結合性 / ホッピング機構 / リン酸基 / 耐熱性 |
Research Abstract |
燃料電池用高分子電解質膜は、高分子鎖に強酸性の極性基を導入することにより水を吸着し、その水分子を媒体としてプロトンを移動させる固体電解質材料である。本研究では非共有結合性相互作用を電解質膜中に組み込むことで、膜中の有機酸分子の時間・空間的制御を試み、高分子電解質形燃料電池に用いる高分子電解質膜の高性能化を図ることを目的に研究を進めた。 有機酸を水素結合的に凝集させた高分子電解質膜の合成 フラーレンを基礎骨格に用いた3つの固体酸(フラレノール、スルホン化フラーレン、アルキルスルホン化フラーレン)を合成した。いずれの固体酸も150℃以上の耐熱性を示し、燃料電池用高分子電解質膜材料として充分な耐熱性を有していることが示された。フラレノール、スルホン化フラーレン、アルキルスルホン化フラーレンのプロトン伝導性は、120℃まで温度と共に増加し、10^<-4>〜10^<-5>Scm^<-1>程度の値を示した。いずれも無加湿状態でプロトン伝導性を示し、かつ100℃以上の領域でもプロトン伝導性を維持することから、プロトンホッピング機構によるものと推察された。 得られたフラーレン誘導体は、無水状態でプロトン伝導性を発現するだけではなく、高湿度下で高い吸水性を示すことが明らかになった。吸水性は、酸性の強さと酸性基の運動性に依存し、アルキルスルホン化フラーレン>スルホン化フラーレン>フラレノールの順となった。アルキルスルホン化フラーレンの相対湿度100%下における吸水率は、600wt%程度となり、高分子電解質膜の保水剤としての可能性を示した。このようなフラーレン誘導体に見られる無水プロトン伝導性や高吸水性は、フラーレンに密に導入された酸性基間の水素結合性相互作用によるところが大きいと推察される。 これらの有機酸と塩基性高分子ポリベンゾイミダゾール、酸性高分子ナフィオン、リン酸系高分子電解質CEPとの複合化の検討を行った。リン酸系高分子電解質CEPはいずれのフラーレン誘導体とも5wt%程度まで複合化することが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Endo: "Regiocontrolled synthesis of poly(thiophene) derivatives with fluoroalkyl side chains"Synthetic Metals. 135-136. 333-334 (2002)
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[Publications] T.Kobayashi: "Coexistence of photoluminescence from two intrachain states in polythiophene films"Physical Review. B67. 205214 (2002)
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[Publications] 陸川政弘: "炭化水素系高耐熱電解質材料"工業材料. 50. 47-50 (2002)
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[Publications] K.Ishikawa: "Synthesis of novel proton conducting polymer electrolytes containing phosphoric acid"Synthetic Metals. 135-136. 71-72 (2002)
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[Publications] K.Kaneko: "Fabrication and electrical properties of proton conducting polymer hybridized with apatite compounds"Synthetic Metals. 135-136. 73-74 (2002)
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[Publications] S.Yanagimachi: "Synthetic and evaluation of phosphonated poly(4-phenoxybenzoyl-1,4-phenylene)"Synthetic Metals. 135-136. 69-70 (2002)
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[Publications] 陸川政弘: "固体高分子形燃料電池のすべて"エヌ・ティー・エス. 352 (2002)