2002 Fiscal Year Annual Research Report
シンチレータストリップを用いた高性能電磁カロリメータの開発
Project/Area Number |
14046213
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川越 清以 神戸大学, 理学部, 助教授 (40183785)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶野 文義 甲南大学, 理工学部, 教授 (50204392)
|
Keywords | リニアコライダー / 電磁カロリメータ / シンチレータストリップ |
Research Abstract |
次世代の加速器、電子陽電子衝突型線形加速器(リニアコライダー)実験で最高の物理成果を得るには、これまでの加速器実験の測定器の性能を超える究極の測定器が必要になる。神戸大学、甲南大学、筑波大学、信州大学、新潟大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の6つの研究機関で構成されるJLCカロリメータグループでは、これまでに優れたエネルギー分解能を持つ補償型ハドロンカロリメータの基礎研究を行い、成果を上げてきた。現在の開発研究の中心課題は電磁カロリメータであり、次の性能が要求される。 ●エネルギー測定の線形性と分解能が優れていること。 ●電磁カロリメータ部が細かくセグメント化され、電磁シャワーの発展過程を精度良く再構築できること。 本研究は、鉛板とシンチレータストリップを用いたサンプリング型カロリメータで、この2つの条件を同時に満たす、比較的安価な電磁カロリメータを実現しようとするものである。 本年度は、まずベンチテストによるシンチレータストリップの基礎研究を行い,その結果に基づいて電磁カロリメータテストモジュールの(電磁カロリメータのスーパーレイヤー6層とシャワーマクシマム測定器)の製作を行った。このテストモジュールの性能評価をKEKのテストビームを用いて11月に行った。現在,以下の点にテーマをしぼって、ビームテストの実験データを鋭意解析中であり、その結果を3月の日本物理学会で報告する予定である。 ●ミュー粒子に対する反応の入射位置依存性 ●電子に対する位置分解能 ●電子に対する入射角分解能 ●電子とパイ粒子の識別能力
|