2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14046215
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 礼三郎 岡山大学, 理学部, 助教授 (90325077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 靖孝 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (10150004)
岩見 基弘 岡山大学, 理学部, 教授 (80029123)
中野 逸夫 岡山大学, 理学部, 教授 (90133024)
木下 明将 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, VBL研究員
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Keywords | SiC / 半導体検出器 / 放射線検出器 / 高エネルギー / 素粒子実験 |
Research Abstract |
高効率の半導体大電力素子および高出力の半導体高周波素子(パワーデバイス)として,GaAs, GaN, SiC, Diamond等さまざまな半導体が研究されている。その中でSiCは,Siと比べて禁制帯幅が2〜3倍大きく,絶縁破壊電界が一桁大きい,飽和電子速度が2倍,熱伝導率が3倍,動作温度の上限が500-600℃などの特性を持ち,高温・高放射線でも安定に動作する。 現在SiC自体の物性や製造に関しての研究が開発途上にあるため,空乏層を基板全体に広げるに耐えるSiC結晶が簡単に得られない。そのため,半導体検出器の基礎となる部分空乏層型検出器の研究を行った。SiC検出器は,原子力研究所高崎の協力を得て製作した。Cree社から購入したp型6H-SiCエピタキシャル基板に表面からP(リン)をイオン注入することによって作成されたpn接合型検出器である。エピタキシャル層は5μmで,P型不純物のAlが6×10^<15>/cm^3の濃度でドープされている。この層の表面に厚さが150nm,キャリア濃度1×10^<19>/cm^3のn型層が出来るようにPイオンを注入した。表面と裏面に電極用にアルミニウムが蒸着され,裏面は基板への固定と電極への通電のため,伝導性接着剤ドータイトにより接着固定されている。また,逆バイアスを印加したときの漏洩電流を押さえるためにpnの界面部分をメサ型構造に加工した。 pn接合型検出器について,整流性(I-V特性)と可変容量(C-V特性)の2つの電気的静特性を測定した。SiC半導体検出器の動作確認のために利用する放射線源として,^<234>Am-α線(エネルギー5.48MeV)を利用した。さらに,6H-SiCの禁制帯幅が2.86eVであることから,波長375nm(3.31eV)の紫外線発光ダイオードを用いた紫外線に対する評価も行った。これらにより,Sicの半導体検出器としての動作を確認した。
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