2003 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度衝突型加速器による粒子多重度の高い素粒子実験のための中央飛跡検出器の開発
Project/Area Number |
14046218
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 拓生 福井大学, 工学部, 教授 (30220651)
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Keywords | 素粒子実験 / 飛跡検出器 / シンチレーティングファイバー / アバランシェフォトダイオード / 多重粒子分解能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、次世代の衝突型加速器を用いてヒッグス粒子や超対称性粒子を探索する実験の中央飛跡検出器を開発することである。今年度は、シンチレーティングファイバー(Sci-Fi)を用いて試作した雛形荷電粒子飛跡検出器の性能評価を行った。雛形検出器には、Sci-Fiを隙間なく並べた層が12mm間隔で3層重ねられていて、各層で飛跡の通過位置を測定することによって飛跡の再構成ができるようになっている。各Sci-Fi層には、外径0.75mm、コア径0.66mmの3HF型Sci-Fiが16本、不感領域ができないようにstaggerさせながら並べられている。Sci-Fiの長さは、衝突型加速器の中央飛跡検出領域で用いることを想定して、2.5mとした。Sci-Fiの光信号は、アレイ型のアバランシェフォトダイオード(APD)で読み出した。S/N比を向上させるため、ペルチエ素子を用いてAPDを-50℃まで冷却した。この雛形検出器で宇宙線μ粒子の飛跡を観測し、飛跡の検出効率や位置測定精度などを調べた。その結果、飛跡の位置測定精度は、標準偏差で0.23mmとなった。また、各Sci-Fi層での荷電粒子検出効率は98%となり、飛跡検出器として十分な検出効率が得られた。 次に、APDのS/N比をさらに向上させることを目指して、液体窒素を用いた冷却システムを開発し、APDを-50℃から液体窒素温度まで冷却できるようにした。その結果、APDは-100℃以下になるとかえってノイズが増え始めることが分かった。最良のS/N比が得られる温度を確定するための実験は現在まだ進行中であるが、現時点で、-50℃〜-100℃の間にあることまで突き止めた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] D.Acosta, A.T.Goshaw, S.H.Kim, T.Yoshida, 他545名: "Search for Long Lived Charged Massive Particles in p^^-p Collisions at 1.8 TeV"Physical Review Letters. 90・13. 131801-1-131801-6 (2003)
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[Publications] D.Acosta, A.T.Goshaw, S.H.Kim, T.Yoshida, 他548名: "Search for the Supersymmetric Partner of the Toy Quark in Dilepton Events from pp^^- Collisions at 1.8 TeV"Physical Review Letters. 90・25. 251801-1-251801-7 (2003)
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[Publications] D.Acosta, A.T.Goshaw, S.H.Kim, T.Xoshida, 他549名: "Search for Pair Production of Scalar Top Quarks in R-Parity Violating Decay Modes in pp^^- Collisions at 1.8 TeV"Physical Review Letters. 92・5. 151803-1-151803-7 (2004)