2002 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場中での動作が可能なRICH用光位置検出器の開発研究
Project/Area Number |
14046223
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯嶋 徹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80270396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 敏文 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (20192643)
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Keywords | ハイブリッド型光検出器 / マイクロチャンネルPMT / RICH検出器 / チェレンコフ検出器 |
Research Abstract |
本研究では、Bファクトリー実験での粒子識別性能を向上するのに有効と考えられるエアロジェルRICH検出器やTOPカウンターへの応用を前提とした、強磁場中での動作と位置検出が可能な光検出器の試作とテストを行う。より具体的には、1.5テスラの磁場中でのシングルフォトンの検出を可能とするような光検出器の開発を行う。本年度においては、その候補として、ハイブリッド型光検出器とマイクロチャンネルプレート内蔵PMTを考え、シングルチャンネル型の現存製品を使った基本性能試験を行い、マルチアノード型検出器の設計を行った。 1.ハイブリッド型光検出器(HPD) TO-8型と呼ばれる小型HPDを用いて、HPDのシングルフォトン検出器としての性能を試験した結果、6個程度までのフォトンピークが明瞭に区別され、非常に高い性能を有することが確認できた。また、将来マルチアノード型を製作した際の読み出し回路(ASICチップ)のデザインを行った。 2.マイクロチャンネルプレート内蔵PMT マイクロチャンネルプレート内蔵PMTの磁場特性に関する試験を行った。1.5テスラの強磁場中でもゲイン劣化が少ないこと、磁場中では、増幅ゲインの飽和によって、シングルフォトンに対するS/N比がむしろ改善することなど、興味深い結果が得られた。このPMTは、50ピコ秒以下の高時間分解能を有し(磁場中でも殆ど変化しないことを確認)、TOPカウンター用光検出器としては理想的であるとの認識に至った。その結果に基づき、マルチアノード型検出器の設計を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Iijima et al.: "Test of a proximity focusing RICH with aerogel as radiator"Nuclear Instruments and Method A. (発表予定).
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[Publications] T.Iijima: "Particle Identification at the Super-KEKB"KEK Proceedings 2002-17. 17. 11 (2002)
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[Publications] I.Adachi et al.: "Test of a proximity focusing RICH with aerogel as radiator"Proceedings for the IEEE Nuclear Science Symposium. 2. 10 (2002)