2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14046224
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
住吉 孝行 東京都立大学, 理学研究科・物理学専攻, 教授 (30154628)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 弘 松下電工(株), ウェルラボ, 研究職
|
Keywords | 素粒子実験物理学 / 粒子別装置 / 輻射体 / チェレンコフ光 / シリカエアロゲル |
Research Abstract |
本研究は屈折率1.05で高い透過率を有するシリカエアロゲルを開発し粒子識別能力を改善することを目的としており、以下の開発項目が揚げられる。 1)これまでのシリカエアロゲルの製法を見直し、屈折率が1.05付近でも高い透過率を有するシリカエアロゲルが製作可能な方法を考案する。 2)我々が過去の研究でシリカエアロゲルの疎水化に成功した様に、シリカエアロゲルの表面に波長変換剤を化学的に修飾して、シリカエアロゲル内で発生した紫外光を可視光に変換する。 平成14年度において上記の目的に対し、以下の実績を挙げることが出来た。 1)に関しての成果 ア)これまでシリカエアロゲル製作の前駆体として用いてきたメチルシリケート51の供給会社を替えて透過率を測定したところ、或る会社のもので少し高い透過率が得られた。これは品質の一様性に依るものと考えられる。 イ)次に製作の一段階で溶媒としてメチルアルコールを使用してきたが、それをジメチルホルムアミドに替えることで、大幅な透過率の向上が見られた。 ・この二点の改良で屈折率1.05で世界最高の透過率を有する疎水化されたシリカエアロゲルを製作出来る方法が見つかった。 2)に関しての成果 ア)化学的に波長変換剤を修飾するためには、波長変換剤を折り込みシリカエアロゲルの酸化珪素に付いている水酸基と巧妙に置換する薬品を製作する必要がある。しかし、それは容易なことでは無く、今年度はシリカエアロゲルの表面にNPDと呼ばれる波長変換剤を蒸着したものを製作した。現在その性能を評価中である。 イ)波長変換剤を修飾出来る薬品を製作出来る会社が年度末に見つかった。 ・来年度に波長変換剤を修飾したシリカエアロゲルを製作出来る可能性が大きくなった。
|