2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 和明 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (00242165)
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Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 / 低温鏡 / サファイヤ結晶 / 複屈折 / 熱雑音 / 極低温冷凍機 / 熱レンズ効果 |
Research Abstract |
地上の重力波レーザー干渉計では目標の物理を見るために感度向上が不可欠で、観測帯域中央の感度向上にはレーザー鏡の熱雑音低減が必要である。このために低温鏡技術の開発を行った。低温鏡に適した素材としてサファイヤ結晶を選択し、その機械的性質、光学的性質ならびに光学鏡としての加工性を解明し、実用化のために必要な開発研究を行った。サファイヤ結晶の機械的性質は、結晶としての完全性が確認できる程度で十分であることが判明しており、加工性についても技術的な問題はないことが確認できている。ここでは、光学的性質、すなわち、光吸収、光散乱、屈折率の揺らぎに関して定量的に精密計測を行うことにより、より高品質の素材選別手法に焦点をあてた。昨年度までに、光吸収および光散乱に関しては海外との共同研究により計測を終了し、屈折率揺らぎに関して従来にない精密レベルでの自動計測装置構築を行ってきたが、本年度はさらに多くのサンプルの計測を行った。これらの計測結果を総合すると、各計測結果の相関から結晶の光学的品質評価にはいずれかの計測法を用いれば良いことが示唆される。この結果は、今後本格的な低温鏡レーザー干渉計LCGTを建設する上で、その素材選別に必要な検査手段を確立できたことを意味する。この研究と平行して、本特定領域研究内の他の研究計画と共同で、低温鏡実証に用いるプロトタイプ干渉計を完成させることができ、低温鏡の実証実験を進める手段が整った。以上の成果は、LCGTの建設に大きく貢献するものである。
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Research Products
(6 results)