2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三尾 典克 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70209724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 成典 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60262044)
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Keywords | 重力波検出器 / 高出力レーザー / 固体レーザー / 干渉計測 / 注入同期 / 周波数安定化 / 強度安定化 |
Research Abstract |
重力波天文台で使用する可能な高出力・高安定レーザーの開発に関して、今年度の研究では、下記の成果が得られた。 1.昨年度、完成した101W出力の注入同期レーザーに対して、周波数安定化の実験を行い、レーザーの制御に成功した。高性能な光共振器を周波数参照にして、高周波位相変調法を用いた周波数偏差検出法を実装し、注入同期の実現された100Wを超える出力のレーザーに対して、周波数制御が可能なことを初めて示した。実験から得られた注入同期レーザーの周波数雑音のレベルは理論どおりの値を示し、同期の基準となるマスターレーザーの雑音レベルに一致していることを示したのもこの出力レベルではこれまでほとんど例がなかったことである。 2.昨年度開発したレーザーの強度雑音低減化のため、励起電流制御による強度安定化システムをさらに高精度化した。昨年度の研究では、制御用の誤差信号では十分低いレベルを実現したにもかかわらず、制御系の外側で見た揺らぎは非常に大きなままで残留していた。この原因は、レーザー増幅装置におけるレーザー光のビーム揺らぎやビーム品質の劣化にあると考え、モードクリーナーと呼ばれる光共振器を挿入することで、ビーム品質の改善を試みた。その結果、従来よりも低い周波数まで、レーザーの強度雑音が安定化されることが判明した。しかし、同時の測定したビーム揺らぎの情報とは強い相関が見られず、今後、さらに検討する必要があることも判明した。 3.今年度、導入した大型光増幅器に関しても、増幅実験を行い、前項の小型増幅器と同様な形式の安定化装置を試作したところ、十分な制御帯域を得ることが可能なことが判明した。 4.これらの結果から、将来の重力波検出用大型干渉計のレーザー光源として使用可能な光源の開発に成功した。
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Research Products
(3 results)