2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40242094)
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Keywords | カシミール / 零点振動 / 捩れ秤 |
Research Abstract |
まずカシミール力検出のための装置の開発を行った。カシミール力を生じさせる試料として、表面精度の良いガラスレンズの基材に金を蒸着したものを作成し捩れ秤に取り付けた。また、試料間の間隔を安定に制御する機構として、マイクロメータステージにピエゾアクチュエーターを組み込んだ駆動系を作成し、これらの装置を真空チェンバーの中に組み込んだ。 次に捩れ秤のノイズ振動を測定し、その結果を元に、捩れ秤の動きを制御するためのフィードバック機構を開発した。このフィードバック機構は、捩れ秤の動きを光てこで読み取り、それを打ち消すような電気力をアナログ回路を用いて生じさせ、捩れ秤に力を加えて制御するものである。このフィードバック機構の作成及び性能評価を行い、安定に動作することを確認した。これにより、測定中に試料の間隔を常に十分な精度で一定に保つことが可能となった。 このフィードバック機構を用いて、試料問隔が2から10μmの領域で、試料間に働く力の距離依存性を測定した。この測定データから、試料間に働く力の中で最も大きな寄与は、電気力の距離依存性を持つことを確かめた。この電気力は試料間の配線を異なる種類の金属で行っていることによって生じる接触電位差で説明が可能である。試料間に働く力の測定データから接触電位差による電気力を解析的に差し引き、そのあとに残る力をカシミール力の理論値と比較した。この結果、測定データはカシミール力の理論値とは矛盾のないことを確かめた。
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