2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047210
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中川 賢一 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教授 (90217670)
|
Keywords | 原子干渉計 / 重力 / レーザー冷却 / 精密計測 / 物質波 |
Research Abstract |
本年度は、レーザー冷却Rb原子を用いた原子干渉計の基本動作の確認を目標に研究を進めてきた。先ず、Rb原子のレーザー冷却およびラマン遷移を用いた原子干渉計に必要とされる光源を5台の半導体レーザーを用いて実現した。次にRbディスペンサーを原子源として用い、反射防止膜付き窓を配置した超高真空チェンバーを製作し、先のレーザー光源を用いてRb原子のレーザー冷却を行い、数秒間で10^8個の冷却^<87>Rb原子を集めることができた。この冷却^<87>Rb原子をさらに偏光勾配冷却およびラマン遷移を用いて原子干渉計の動作原理を確認する実験を行うため、コンピューターを用いてレーザーおよび磁場の制御、原子数の計測などを自動的に行う計測システムを製作した。これらの装置を用いて光位相同期によって正確に^<87>Rb原子の基底状態の超微細準位間隔約6.8GHzだけ周波数がシフトした2台の半導体レーザーを同方向に並行に入射して誘導ラマン遷移を行う実験を行い、原子干渉計における基本動作である原子波束に対するビームスプリッターおよびミラーに相当するπ/2パルスおよびπパルスの確認を行った。また得られた実験条件を用いて、2つのπ/2パルスを一定間隔あけて入射し、誘導ラマン遷移による時間領域のラムゼー共鳴信号を得ることができた。これらの結果から、レーザー冷却^<87>Rb原子を用いて誘導ラマン遷移による原子干渉計の基本動作であるπ/2パルスおよびπパルスの実験条件が得られた。今後、この結果を用いて重力測定が可能になる対向する2本のラマン光の配置にして原子干渉計の基本動作を確認する予定である。
|