2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047210
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中川 賢一 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助教授 (90217670)
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Keywords | 原子干渉計 / 重力計測 / 原子光学 / 量子計測 / アトムチップ / ポーズ凝縮 |
Research Abstract |
今年度は今まで開発を行ってきたレーザー冷却^<87>Rb原子を用いた原子干渉計を用いて実際に重力加速度gの測定を行い、開発した装置の性能評価を行った。先ず平行な2本の誘導ラマン遷移用レーザー光を冷却原子に入射して、ドップラー効果の影響を受けない原子の内部状態間のみの干渉信号であるラムゼー共鳴を測定したところ、高いフリンジのコントラストと十分長いコヒーレンス時間が得られた。次に2本のラマン遷移用のレーザーを対向する向きに変えてドップラー効果の影響を受ける原子の外部状態の干渉を含む原子干渉計を構成して干渉信号の測定を行った。誘導ラマン遷移を用いて実効的に600nKの温度に相当する狭い速度分布の原子のみを選別して干渉フリンジのコントラスト向上を行った。このような極低温原子にπ/2、π、π/2の3つの誘導ラマン光を用いて原子干渉計を構成することにより原子の干渉フリンジ信号を得ることができた。得られた干渉信号より重力加速度gを約6桁の分解能で決定することができた。この重力加速度の測定分解能は現在のパルス間の時間間隔10msによって制限されるため、原子を上方に打ち上げる原子泉法を用いてこの時間間隔を100ms以上に上げるための実験装置の準備を行った。これと平行してボーズ凝縮原子を用いた原子干渉計の実現を目指してシリコン基板上に磁場による原子導波路を実現するアトムチップの開発を行い、2万個のボーズ凝縮原子を10秒以下の時間で生成することに成功した。このため、磁場と光を組み合わせたハイブリッドなポテンシャルおよびビームスプリッターを用いてアトムチップ上の原子干渉計を実現するための実験準備を行った。
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Research Products
(3 results)