2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047212
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓史 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80155837)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 貴浩 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40281117)
|
Keywords | BBO / DECIGO / ダークエネルギー / ガンマ線バースト / 重力波メモリー効果 / 輻射反作用 / ポストニュートン展開 |
Research Abstract |
(1)deci-Hz帯の重力波干渉計を用いた宇宙の状態方程式の決定 宇宙論の精密観測が進んでいるが、宇宙の状態方程式の発展を観測的に決定することは観測的宇宙論の重要課題となってきている。本研究により、連星からの重力波を用い、赤方偏移-距離関係から宇宙の状態方程式を非常に精密に決定することができるということが明らかにされた。ここでdeci-Hz帯の重力波観測は他の波長帯の観測計画と違い、非常に良い精度で重力波源の位置を決定することができ、ホスト銀河を同定することにより赤方偏移を決定することができるという点が重要な点である。 (2)ガンマ線バーストからの重力波 ガンマ線バーストはそのアフターグローの発見により飛躍的に理解が進んだが、そのセントラルエンジンについて観測的知見を得ることは難しい。しかし、大きなエネルギーを伴う加速現象には重力メモリー効果と呼ばれる重力波が発生することが知られている。本研究によりガンマ線バーストからに重力波が観測可能であることが明らかになった。重力波は透過性が強いのでセントラルエンジンでの加速の様子がそのまま波形に反映される。この重力波が観測にかかるのはバーストのジェットが視線方向から外れている場合である。この場合には、ガンマ線バースト自身は見えないが、アフターグローは観測される。 (2)重力波放出による輻射反作用 重力波放出による輻射反作用は、相対論の永年の問題であると同時に、テンプレート作成のために解明されなければならない課題である。特にテンプレート作成という立場に立つ場合、システマティックな摂動展開による解析的な波形の予言が得られることは好ましい。摂動展開としてポストニュートン近似を用いたとき、どの程度、高次の補正まで必要となるのかということがこれまで明確にされていなかったが、スカラー電荷を持った粒子のモデルを用いることで、必要な次数について求め、ブラックホール摂動論による輻射反作用の計算が必要であることを明快に示した。
|
Research Products
(6 results)