2004 Fiscal Year Annual Research Report
帯域可変型レーザー干渉計による重力波検出器の高感度化
Project/Area Number |
14047220
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
山崎 利孝 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (90182485)
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Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 / 帯域可変型干渉計 |
Research Abstract |
重力波は、アインシュタインの一般相対性理論によりその存在を予言された光速で伝わる時空のひずみであるが、未だ直接検出はなされていない。そこで現在、重力波検出を目的として、日本のTAMA300をはじめ、世界各地で大型重力波検出器の建設が行なわれている。それらに用いられる検出器は、主としてパワー・リサイクリング法を用いた広帯域型干渉計を基本設計としている。しかしながら、将来の重力波天文学の創成にとっては、ある帯域内で感度を高め、しかもその帯域を自由に変えることができる、いわゆる帯域可変型重力波アンテナの実現が必須と考えられている。そこで本研究ではこの帯域可変型重力波アンテナの開発を理論・実験両面で行なってきた。各項目ごとの平成16年度の最大の成果は以下の通りである。 (1)真空中でのつり下げ鏡を用いた帯域可変型干渉計実験 つり下げ鏡を用いた帯域可変型干渉計の狭帯域動作における各種キャラクタリゼーションを行った。また、光スプリング現象の確認を行った。 (2)帯域可変型干渉計における量子非破壊計測実験の立ち上げ マイケルソン型干渉計におけるポンデロモーティブ・スクイージングを利用してホモダイン検波によって量子非破壊計測を行う際のサーボシステムを製作しその動作の確認を行った。 (4)LCGTのための帯域可変型干渉計の信号取得方式の開発 従来の方式では信号取得マトリックスの非対角成分の存在が問題となっていたが、変調サイドバンドを適切に選び、かつミラーの位置をマクロにずらすことにより信号取得マトリックスが完全に対角化できることを示した。 (5)カリフォルニア工科大学との40m帯域可変型干渉計に関する共同研究 パワーリサイクリングを含む吊り下げミラーを用いた帯域可変型干渉計の狭帯域動作にほぼ成功した。特に極めて困難だと考えられていたロックアクイジションの実現に関して、マイケルソン部分をミラーの機械共振を用いてロックする手法を考え出し、その有用性を確認した。
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Research Products
(2 results)