2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14048212
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
東野 達 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135607)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 慎二郎 広島大学, 工学研究科, 助教授 (80222222)
|
Keywords | エアロゾル / シンクロトロン放射光 / 黄砂 / 深度選択的分析 / 複合薄膜法 / 変質 |
Research Abstract |
大気エアロゾル粒子の深度別化学組成の情報を獲得するために、広島大学放射光科学研究センターで、半バルク試料への適用を念頭に軽元素分析(Si〜Ti)および深度別化学状態分析法について検討を行った。すなわち、大気圧下で蛍光収量法(XFY)と転換電子収量法(CFY)を用いた両者の同時XAFS測定により、試料内部と表面の化学状態を計測可能なシステムを開発した。標準試料としてCaSO_4をBNで希釈したペレットを用いて4.5keVのX線で励起した場合の最小検出限界はCaで1.6ppm、3keVではSで6.6ppm(測定時間300s)であった。また、スコッチテープ上にまぶしたCaSO_4、CaCO_3粉末によるXAFSスペクトルはXFY、CFYとも良好な結果を示した。また、3種類のCa標準粉末(CaCO_3、Ca(NO_3)_2、CaSO_4)による測定から成分によるXANESスペクトルの差異を確認した。 人為発生源の影響が少ない京都府丹後半島において、黄砂時及び非黄砂時にインパクタを用いて粗大粒径域で粒径別時系列的サンプリングを行い、混合薄膜法及びSEM-EDX分析法により個別粒子中のイオン成分(SO_4^<2->、NO_3^-、Cl^-)混合状態の時間的変化を数時間ごとに分析した。また、粒径別バルク試料中の総Fe、Fe_2O_3量を化学分離操作とPIXE法により分析した。その結果、3イオン全てを含む粒子は全数の0.3%以下であり、いずれか2種類のイオンを含む粒子は全粒子の約10%程度で時間とともに減少した。また、3イオンのうちいずれかを含む粒子の割合は25〜40%であった。さらに、黄砂時にはPM2.5以上で全Fe中にヘマタイトの占める割合が15%以下となり非黄砂時より著しく減少した。一方PM2.5以下の粒子では両者の間で、ヘマタイトの占める割合に顕著な差異は認められないことが分かった。
|
Research Products
(4 results)