2002 Fiscal Year Annual Research Report
地上観測と航空機観測によるエアロゾル性状の空間分布測定
Project/Area Number |
14048230
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
畠山 史郎 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 室長 (30132856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 公隆 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70201449)
坂東 博 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80124353)
長田 和雄 名古屋大学, 大学院・環境科学研究科, 助教授 (80252295)
高見 昭憲 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 主任研究員 (00262030)
酒巻 史郎 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 主任研究員 (40132849)
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Keywords | 中国 / 航空機観測 / 炭化水素 / 硝酸 / NOy / 有機エアロゾル |
Research Abstract |
本研究課題では大気中におけるエアロゾルおよびその前駆体の動態を把握し、東アジアにおける現在・将来のエアロゾルの空間分布、沈着量分布を定量化し、これらの結果に基づき、大気環境の保全・改善計画を提言に結びつけることを目的として研究を進めた。本年度の研究成果は以下のとおりである。1.2002年12月〜2003年1月にかけての中国上海周辺においてオゾン、NOx、SO2などのガス状大気汚染物質とエアロゾルの航空機による測定を行った。人為的エアロゾルの大発生源である中国中南部地域における初めての空間分布の測定が遂行された。2.中国における航空機観測と同期して、沖縄において炭化水素連続測定装置による、エアロゾルの前駆体となる炭化水素の測定を行った。大陸起源と海洋起源など、気塊の起源によって炭化水素濃度に大きな違いが見られた。3.中国における航空機観測と同期して、若狭湾上空におけるエアロゾル、大気汚染物質の航空機観測を行った。2回行った観測の結果、全SOxに占める粒子態の割合は気塊の輸送経路などによって大きく異なっていた。4.硝酸、NOyの自動測定器の開発を行い。隠岐島において硝酸とNOyの自動連続測定を行った。2002年の12月1ヶ月間ではNOyに占める硝酸の割合が高く、この間の気塊は高濃度ではあっても十分に光酸化反応が進んだ、即ち長時間かけて輸送されてきたものであることを示していた。5.ACE-Asiaのスーパーサイトともなった済州島及び札幌で捕集したエアロゾル中の有機成分の測定を行ったところ、全炭素濃度は、一般に秋から冬・春にかけて高く、夏に低い値を示した。この結果は、全炭素の起源域が海洋ではなく、陸上に存在することを示唆する。これらソース地域からレセプター地域をカバーする航空機および地上での観測によって、モデルによる解析に資するデータの取得を進めた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Hatakeyama et al.: "Analysis of the Plume from Mt. Sakurajima and Kagoshima City by Aerial Observations of Atmospheric Pollutants and Model Studies--"J.Aerosol Res.Jpn.. 17. 39-42 (2002)
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[Publications] K.Osada: "Changes in ionic constituents of free tropospheric aerosol particles obtained at Mt. Norikura (2770ma.s.l.), central Japan, during the Shurin period in 2000"Atmos.Environ.. 36. 5469-5477 (2002)
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[Publications] T.Saito: "Stable carbon isotopic compositions of light hydrocarbons over the western North Pacific and implication for their photochemical ages"J.Geophys.Res.. 107,D4. ACH2-1-ACH2-9 (2002)
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[Publications] J.Fang: "Carbon isotopic composition of fatty acids in the marine aerosols from the western North Pacific : Implication for the source and atmospheric transport"Environ.Sci.Technol.. 36. 2598-2604 (2002)
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[Publications] M.Narukawa: "Dicarboxylic acids in the arctic aerosols and snowpacks collected during ALERT2000"Atmos.Environ.. 36. 2491-2499 (2002)
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[Publications] K.Kawamura: "Four year observation of terrestrial lipid class compounds in marine aerosols from the western North Pacific"Global Biogeochemical Cycles. 17,No.1. 1003 (2003)
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[Publications] 畠山史郎: "酸性雨 -誰が森林を傷めているのか?"日本評論社. 209 (2003)