2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト細孔を利用した反応中間体の安定化とその光励起状態を経る新規反応の開発
Project/Area Number |
14050016
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
栗山 恭直 山形大学, 理学部, 助教授 (50225273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 廣記 , 教授 (40134150)
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Keywords | ゼオライト / ナノスペース / 光環化反応 / 位置選択性 / イオンラジカル |
Research Abstract |
イオンラジカルを反応中間体とするスチレン誘導体の分子内水酸基付加反応をゼオライト細孔内で行い。電極界面、溶液系での反応と比較検討した。スチレン誘導体の分子内水酸基は、炭素炭素二重結合における二つの炭素のいづれかと結合を生成することによりαまたはβ環化物を与える。 ゼオライト細孔内:NaY細孔内での光照射においてはα環化物が得られた。細孔径が小さいゼオライトであるNaZSM-5においては、環化生成物は得られなかった。 溶液系内: 光増感反応:ベンゼン中での増感剤1-MCN(1-ナフトエ酸メチル)を用いた光増感反応の位置、選択性を検討し、分子内水酸基がβ位を攻撃した環化物が優先的に得られた。直接光照射においては異性化が優先した。 オキシ水銀-脱水銀反応:α環化物が得られた。 電解酸化:メトキシ基が挿入したα環化物が得られた。 ゼオライト細孔内で反応を行い、位置選択的に生成物を得ることができた。 オキシ水銀-脱水銀と同じ生成物が水銀を用いずに得られたことは、ゼオライト細孔を用いた合成のグルーンケミストリーの可能性を示唆している。 光照射と供にサンプルが黄色に着色し、着色したサンプルは暗下で変化しなかった。光照射下の拡散反射スペクトルの時間変化と差スペクトルの結果より、基質のイオンラジカルあるいはカルボカチオンの存在を確認した。光照射した試料をESR管に移し、測定を行い、反応系にラジカル種が存在を確認した。 分子軌道計算:分子軌道計算を行い、反応の位置選択性について考察を行った。
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